研究課題/領域番号 |
20K22641
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
磯部 洋輔 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 副チームリーダー (80724335)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | マクロファージ / 親電子性代謝物 / タンパク質修飾 / ケミカルバイオロジー / 反応性代謝物 / 脂質由来親電子性物質 / 脂肪酸代謝 / 脂質修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
分子中に二重結合を多く有する多価不飽和脂肪酸は、酵素的な酸化反応によって様々な活性代謝物に変換される。それらの内、分子中に反応性の骨格を有する代謝物は標的タンパク質を非可逆的に修飾して機能を調節することが知られているが、その分子実体には不明な点が多く残されている。申請者らはこれまでに、マウス腹腔マクロファージにおいてエネルギー代謝や細胞骨格制御に関わるタンパク質が反応性代謝物の標的として制御されるのではないかという示唆を得ている。本研究では、標的タンパク質における脂質修飾の分子実体及びその機能を明らかにすることで、マクロファージの恒常性維持における脂質修飾の意義を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、脂肪酸酸化酵素12/15-LOXによるマウス腹腔マクロファージの制御機構の解明を目指し、貪食や細胞遊走等と深く関わるアクチン重合経路に対する本酵素の役割についてその一端を明らかにした。さらに、本酵素が産生する親電子性代謝物(lipid-derived electrophile: LDE)によるタンパク質修飾に着目し、ケミカルバイオロジーの手法によってアクチン重合関連分子を含むマクロファージ細胞内タンパク質に対する修飾の分子基盤を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞内では様々なタンパク質が脂質修飾による機能調節を受けると考えられているが、その分子実体は不明な点が多く残されている。本研究で親電子性脂質による修飾タンパク質、及びその修飾部位が明らかになったことで、これまでほとんど未開拓であったタンパク質脂質修飾の生理的意義解明が飛躍的に進展する可能性がある。また、生体防御に重要なマクロファージの制御機構の一端が明らかになったことで、炎症や免疫を制御する新たなアプローチの提供につながることが期待される。
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