研究課題/領域番号 |
20K22642
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 (2021-2023) 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 (2020) |
研究代表者 |
花園 祐矢 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 准教授 (00750465)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 電子伝達タンパク質 / 精密構造解析 / 中性子構造解析 / X線構造解析 |
研究開始時の研究の概要 |
高電位鉄硫黄タンパク質(HiPIP)の酸化型、還元型二つの状態を高分解能のX線および中性子線回折データをもとに高精度で水素原子を含めた構造解析を行う。高分解能のデータを用いることによって、外角電子の密度形状や電荷、水素原子位置、精密な結合長や結合角を実験的に決定する。さらに、精密な結合長や結合角、相互作用が明らかになった構造から量子化学計算を行うことで、生体中の酸化還元反応のメカニズムを、分子軌道とエネルギー状態から議論する。
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研究成果の概要 |
Thermochromatium tepidum由来高電位鉄硫黄タンパク質の0.66 Å分解能X線回折データと1.2Å分解能の中性子回折データを組み合わせて構造解析を行った。タンパク質の構造としては初めて水素原子の座標を束縛なしで精密化することに成功し、ペプチド平面に存在すると考えられているアミドプロトンは、実際には周囲の電子状態の影響を受け、平面性からのずれに多様性が見られることを実験的に示した。また、アミドプロトンの平面からのずれは酸化還元の機能にも関与しており、酸化型と還元型における鉄イオウクラスター周辺のペプチド平面の違いが、電荷状態の安定化に寄与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、高電位鉄硫黄タンパク質構造を、X線および中性子線回折データを用いて高精度で解析し、水素原子の位置を含めた詳細な構造を明らかにしました。この成果は、タンパク質の酸化還元反応のメカニズムを明らかにし、新薬開発や生物工学における応用に貢献します。社会的には、これにより病気の治療法の開発や環境に優しいエネルギー生成方法の研究が進む可能性があります。
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