研究課題/領域番号 |
20K22644
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
別所 奏子 (別所・上原奏子) 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (90876624)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | E3ユビキチンリガーゼ / 相互作用 / 形態形成 / 植物 / シロイヌナズナ / イネ / TurboID |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではE3ユビキチンリガーゼの転用による基質タンパク質の分解がどのように植物の形態多様性を生み出しているのか、という学術的問いに答えることを目的としている。具体的には、シロイヌナズナATL43およびイネRAE3という2つのE3ユビキチンリガーゼと相互作用する因子を各植物種において同定する。続いて同定した相互作用因子を2種の植物間で比較し、「シロイヌナズナの葉 」と「イネの芒」という異なる器官の形態を制御する分子機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
E3ユビキチンリガーゼを介したシグナルネットワークを明らかにするため、植物2種のオーソログ遺伝子を用いた解析を行なった。 イネ種子先端にできる芒の伸長を制御する遺伝子RAE3を同定し、その細胞内局在や遺伝子発現パターンを明らかにした。また、シロイヌナズナにおけるRAE3オーソログ、ATL43の解析を行い、ATL43過剰発現体では鋸歯の喪失や矮化が起きることを見出した。さらにATL43-TurboIDを用いてATL43の相互作用タンパク質を網羅的に同定し、その中でもCIPK9がATL43と相互作用することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
形態多様性の分子基盤の理解には形態形成の分子機構を解明し、幅広い種で比較を行うことが重要である。種間の遺伝子機能を比較する進化発生生物学的研究はこれまでにも行われてきたが、その多くはホメオティック遺伝子等の転写因子に焦点を当てたもので、遺伝子の発現制御に着目したものであった。しかし一方で、翻訳されたタンパク質の量が形態に与える影響については十分に議論されているとは言えない。申請者は、基質タンパク質にユビキチンを付加し分解させる働きを持つE3ユビキチンリガーゼが異種の植物において異なる器官形態を制御することを見出し、E3ユビキチンリガーゼを基点とした新たな形態形成の分子機構の一端を明らかにした。
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