研究課題/領域番号 |
20K22652
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
堤 璃水 京都大学, 高等研究院, 特定研究員 (60876241)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | オルガノイド / 四肢発生 / 形態形成 / 四肢 / 軟骨形成 / 骨成長 / 異種間比較 |
研究開始時の研究の概要 |
四肢の骨格は、部位や、種によって固有の長さに成長する。例えば、ヒトでは後肢が長いことが、後肢が短いマカクなど他の霊長類との大きな違いといえる。この、部位・種によって肥大の程度に差が出る仕組みについては、ほとんどわかっていない。 本研究では、ヒトやマカクなど複数の動物種の全能性幹細胞を、三次元培養下で前・後肢や基部先端軸といった、特異的な位置情報をもった四肢軟骨に分化させる実験系を確立する。これにより、これまでの実験系では難しかったヒトやマカクのような非モデル動物の肥大軟骨へのライブイメージングや機能解析といった侵襲的アプローチを可能にし、四肢軟骨の部位・種特異的な形態形成の仕組みの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、マウス、ヒトの全能性幹細胞から肢細胞を分化させ、四肢軟骨の発生、成長過程を三次元培養下で再構築する実験モデル系を確立することで、四肢形態形成過程の細胞挙動の制御を明らかにし、さらにその種間差を明らかにすることを目的とした。これまで肢細胞から培養下で形態形成させる実験系がなかったため、まずマウス胚から得た肢細胞を三次元培養することで、肢の位置情報に応じて細胞がつくる軟骨の数、形状、伸長の仕方を変化させることができるモデル系を確立した。また、ヒト全能性幹細胞を二次元培養、および三次元培養で分化させ、肢間充織が側板中胚葉から発生する形態形成過程を再現するモデル系をつくることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、三次元培養で四肢形態形成を再構成するモデルを新たに確立するとともに、ヒト肢芽細胞様の細胞を分化させることで、ヒトの四肢形態形成を培養下で再現することに繋がる成果を得た。このことは、以下4点の発展の可能性を切り開くものであったと考えている。(1)四肢発生に関わる分子が、どのような細胞挙動を制御し、それが組織レベルの形態変化に影響を及ぼすのかを明らかにする発生生物学的知見の解明。(2)四肢形態の種ごとの違いを細胞レベルで理解する進化発生学的知見の解明。(3)ヒトの四肢先天異常の原因となる遺伝変異や薬剤の検証モデルの確立。(4)ヒト四肢の欠損に対する移植治療の確立。
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