研究課題/領域番号 |
20K22673
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0703:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪 |
研究代表者 |
西野 萌 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪市立自然史博物館, 学芸員 (20883531)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 植物化石 / 中新世 / 新生代 / 中期中新世最温暖期 / 植物進化 / 形態進化 / Paleobotany / 新第三紀 / 古植物学 |
研究開始時の研究の概要 |
植物は気候変動に応じて形態を変化させることが知られている。約2000万年前以降、植物は激しい温暖期(MMCO)と、それに続く長期的な寒冷期を経験してきた。しかし、化石記録の不足により、その中で起きた植物の形態進化については解明されていない。本研究では、温暖化によって葉肉組織の厚化が、寒冷化によって種子数の減少が、それぞれ起きたと予想し、それらを化石記録に基づいて実証する。 本研究の結果、激しい気候変動の下で生育していた植物の生存戦略が初めて解明される。この成果は、全球的環境変動の観点から植物進化を俯瞰する新しい学問観を生み、さらには現在進行する地球温暖化の未来予測に活用できると考える。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、約1600万年前の中期中新世最温暖期(MMCO)以降の全球的気温変動が引き起こした植物の形態進化について調査することである。現在は、コナラ属の葉化石を用いた温暖期における葉肉組織の厚化、およびミキマツの球果化石を用いた寒冷化における種子数の変化について、それぞれの化石記録から調査を行なっている。コナラ属における葉肉組織厚の変化の観察については、引き続きサンプル採集を行なった。また、前年度にデータを採集した岐阜県美濃市に分布する中村層(中新世)の化石サンプルについて報告を行なった。ミキマツの球果における種子数の変化の観察については、昨年度に引き続き、資料調査、および、大阪市立自然史博物館に寄贈されたミキマツ球果化石の産地・地質年代等のデータの整理作業を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
採択初年度から次年度時に拡大した新型コロナウイルス感染症による感染防止対策により当初の研究計画より遅れが出ており、野外でのサンプル採集、特に、当初に予定していた福井県あわら市に分布する国見層相当層、富山県有峰および現生コナラ属植物のサンプルについては採集ができておらず、データが不十分であるため。
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今後の研究の推進方策 |
まだ調査を行えていない残りの地域(福井県あわら市国見層相当層および富山県有峰)のサンプル採集を早急に行い、コナラ属の現生種、およびMMCOと寒冷期のコナラ属化石種での葉肉組織厚の比較を行う。また、ミキマツの球果における種子数の変化について、年代ごとに球果化石の種子数と併せて、球果サイズ、鱗片数の計測を行う。
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