研究課題/領域番号 |
20K22676
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大黒 達也 東京大学, ニューロインテリジェンス国際研究機構, 特任助教 (60886464)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 当事者化 / 音声リズム / 階層性 / 気づき / 自閉スペクトラム症 / 発話音声 / リズムの階層性 / 移動エントロピー / 会話 / 確率的振幅変調 / 韻律 / 音声 / プロソディ / 階層 / 発話 / 言語リズム / 振幅変調 / 発話リズム / 音声解析 / 脳波 / 発達 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の調査によると,発達障害とされる人の割合は約10%にのぼり,その障害特性が正確に理解されていない社会環境におかれてしまうことで,社会への適応に苦しんでいる発達障害者は多く存在している.特に,自閉スペクトラム症の発話では,抑揚の全体的な乏しさや,特徴的な抑揚・強勢があるなど,定型発達者と比べて独特なプロソディ(韻律)が報告されている.本研究では,定型発達者が自閉スペクトラム症の韻律的特徴を理解し,学習できるようなシステムを開発する.
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研究成果の概要 |
本研究では,自閉スペクトラム症者(ASD)と定型発達者(TD)の会話時の音韻的階層の特徴を調査した結果,TD音声とTD指向音声,ASD音声とASD指向音声の発話リズムがそれぞれ類似していることがわかった.この結果から,対話者の発話特性に気づいたTD者は,自身の発話を,ASD者を含む対話者の発話特性に似せて会話していることがわかった.本成果は英語論文にし,査読付き英文学術誌に投稿し,現在は査読中(minor revision)である.査読中の論文は.プレプリントとしても投稿している(PsyArxiv,10.31234/osf.io/4agcw).
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は皆,様々な個性や価値観を理解し合い,共に多様性社会を築いていく社会的当事者である.しかし,現代社会では多くの物事(災害や芸術)に対して多数派に合わせて価値が決定され,当事者-非当事者間で価値(観)のずれが生じてしまっている.このずれによって,歴史や文化,個性が正しく理解されず少数派を生きづらくするといった問題が起こっている. 本研究は,当事者の発話特性が自身と違うことに「気づく」ことで,どのように当事者化されていくのかを明らかにした.本研究を通して、皆が社会的当事者として真に個性や価値観を共有し合える多様性社会へ貢献できるかもしれない.
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