研究課題/領域番号 |
20K22680
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 藤田医科大学 (2021) 名古屋大学 (2020) |
研究代表者 |
松原 崇紀 藤田医科大学, 医学部, 助教 (50884475)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 光遺伝学 / X線 / シンチレータ / ドーパミン神経 / ドパミン神経 / シンチレータマイクロ粒子 / ChRmine / ドーパミン |
研究開始時の研究の概要 |
「光遺伝学」は、光感受性タンパク質(オプシン)分子を特定細胞に発現させ、光照射により細胞機能変化を誘導する技術である。しかしながら、可視光領域の刺激光を用いるため、その組織透過性が低く、脳深部組織への適用が困難である。この問題を克服するため、我々は生体透過性が極めて高いX線とX線を可視光へと変換するシンチレータ(Ce:GAGG)を用いた新規な光操作法を開発した。本手法の現時点での問題点は、実験動物に対する組織侵襲と被爆放射線量の大きさである。そこで、本研究では、Ce:GAGG粒子や高光感受性オプシンを用いて極めて低侵襲・低線量な遠隔的神経活動操作法を世界に先駆けて確立する。
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研究成果の概要 |
生体透過性の極めて高いX線とX線を可視光に変換させることのできるシンチレータ(Ce:GAGG)を用いて、脳深部のワイアレス・ファイバーレス光遺伝学法を開発した(Matsubara et al., Nat.Communi.2021)。オプシンを発現させた神経細胞周囲にシンチレータを注入することで、X線照射による神経活動を惹起し、神経細胞に特異的な行動を引き起こすことに成功した。本研究では高光感受性オプシン、粒子状のシンチレータ、X線のパルス照射を用いることで、脳組織に対する侵襲性およびX線の被曝量を低減させることに成功した。この技術は、将来的に様々な基礎研究や臨床治療に役立つことが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光遺伝学は、光感受性タンパク質を特定の細胞に発現させ、可視光を用いて神経活動を自由に操作できる方法である。しかしながら、可視光の生体透過性は極めて低いため、目的部位が深部の場合は光ファイバーを脳内に挿入する必要があり、脳組織の侵襲や行動制限を伴う。生体透過性が極めて高いX線を用いることで、それらの問題点を解決することができる。また、X線の特性から大型の実験動物や鳥類、霊長類にも応用可能である。従って、この技術は制限のない状態で動物の行動観察や神経活動操作を可能にし、神経科学の研究を広く進展させることができる。
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