研究課題/領域番号 |
20K22692
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
國見 洋光 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (40877073)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | HIF-1α / BNIP3 / 眼虚血再灌流 / 網膜神経節細胞 / 緑内障 / HIF-1 / 網膜虚血再灌流 / 低酸素応答因子 / 網膜神経保護 / 低酸素誘導因子 |
研究開始時の研究の概要 |
眼科疾患の中でも、網膜内層障害が原因で視力低下が起こるものに対する根本的な治療法は限定されている。また、その分子メカニズムは未だに解明されていないところが大きい。そのため、網膜内層障害に至る詳細な機構について検証することで、対症療法で対応されていたこれらの眼疾患に対して新規治療法を見出すことができると考える。 申請者は、網膜内層神経障害に低酸素誘導因子が関与していることを動物モデルを用いて検証し報告してきた。本研究では、その下流の分子生物学的なメカニズムを解明することで、今まで治療が困難であった網膜内層障害の疾患に対する新規治療法を開発することを目的としている。
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研究成果の概要 |
本研究は、本邦の失明原因第一位の緑内障をはじめとした網膜内層神経細胞障害を生じる疾患における網膜神経細胞死の分子メカニズムを解明することで、その新規治療法開発に繋げることを目的とした。 網膜内層神経障害を生じさせる動物モデルを用いて、網膜内層の神経細胞死に低酸素誘導因子1α(HIF-1α)とその下流の100ほどの遺伝子の中からBNIP3という原因遺伝子を発見した。また、網膜においてこのBNIP3遺伝子を阻害すると、同じように網膜に障害を加えても神経保護作用があることを見出した。 これらの結果から、緑内障の新規治療にBNIP3阻害が有用であると示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の最終目的である緑内障に対する新規治療開発について、HIF-1α/BNIP3経路の阻害という新しい可能性を見出すことができた。本邦の失明原因第一位である緑内障治療は、現在のところ点眼、手術ともに眼圧下降という対症療法のみであり、根本的な新規治療開発が待たれる状況である。網膜神経節細胞という網膜内層にある細胞が細胞死を引き起こすことで緑内障が発症するが、その分子メカニズムを解明でき、かつ動物モデルでも証明できたことは今後ヒトでの治療法開発につながると考えられる。
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