研究課題/領域番号 |
20K22702
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
浅野 昂志 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 助教 (00884751)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 双極性障害 / 前頭前皮質 / うつ / 行動薬理学 |
研究開始時の研究の概要 |
躁病相とうつ病相を繰り返す精神疾患である双極性障害は、モデル動物が存在せず、有効な治療薬もない。大規模遺伝子関連解析を実施した複数の研究グループから、双極性障害患者では、ODZ4遺伝子に変異があることが報告されている。ODZ4がコードするタンパク質は、Teneurin-4であり、その生理機能はほとんど分かっていない。本研究では、患者と同じ変異を持たせたODZ-4を組込んだAAVベクターをマウスの前頭前皮質に注入し、Teneurin-4の発現量が減少したマウスが双極性障害のモデル動物となる可能性を検証する。
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研究成果の概要 |
双極性障害は躁状態とうつ状態を繰り返す精神疾患である。ゲノムワイド関連解析より、双極性障害患者においてODZ4遺伝子に変異があることが報告されている。Teneurin-4は、ODZ4によってコードされるタンパク質であり、神経軸索の伸長や髄鞘の形成に寄与している。しかしながら、双極性障害の発症とTeneurin-4との詳細な関連は明らかとなっていない。本研究では、Teneurin-4を前頭前皮質でノックダウンしたマウスを作成し、行動表現型の変化を検討した。その結果、前頭前皮質特異的にTeneurin-4をノックダウンしたマウスは、うつ様行動、躁様行動および不安様行動を示すことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的特色は、これまでなかった双極性障害モデル動物の創出を目的とし、ゲノムワイド関連解析で関連が示唆されている特定遺伝子に着目し、前頭前皮質特異的に目的遺伝子をノックダウンしたマウスを作成し、その行動表現型に与える影響を検証した。申請者の研究成果により、適切な双極性障害モデル動物を作成することで、様々な病態を複雑に繰り返す双極性障害の新たな治療法・治療薬の開発に貢献できる可能性が示唆された。
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