研究課題/領域番号 |
20K22704
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
平岡 陽花 名古屋大学, 理学研究科, 研究員 (70880053)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 化学修飾核酸 / RNAイメージング / 翻訳 / 細胞デリバリー / mRNA医薬 / 修飾核酸 / 核酸デリバリー / 核酸医薬 / mRNA / 細胞内ダイナミクス / イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
人工mRNAの細胞内導入により正常なタンパク質の生成を促すmRNA医薬が次世代医薬品として注目される一方で、しかし未だ実用化には至っていない。 実用化に向けたmRNA構造の改良を推進するため、本研究では外来mRNAの細胞内導入からタンパク質生成に至る機構を可視化する技術の開発を目指した。 可視化に伴う細胞への負担を最小限にするために、所属研究室で開発中の細胞膜透過性を与える分子修飾を利用して、イメージング用プローブの穏やかな細胞内導入を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究では蛍光核酸プローブの結合によるRNAイメージングに取り組んだ。大腸菌で確立した手法をヒト培養細胞に用いたところ、短い核酸プローブは細胞核へと移行しやすく、標的mRNAへの結合率が著しく低かった。同手法を断念し、現在は蛍光標識ヌクレオチドを利用したRNA自体の蛍光化に取り組んでいる。 また、化学修飾による当該核酸プローブの細胞内導入にも取り組んだ。過去に報告した膜透過性核酸はジスルフィド修飾ユニットを5つ持ち、物性の悪さゆえの制限も多くあった。より少ないユニット数で効果的な細胞導入を実現する修飾構造の探索に取り組み、環状ジスルフィド修飾を持つ修飾核酸が有望な候補として得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
RNAイメージングに用いる蛍光核酸プローブをダメージなく細胞に導入するために最適な化学修飾の探索を行った結果、環状ジスルフィド修飾を付加することで細胞毒性なく効果的に細胞導入できることが分かった。従来の膜透過性核酸よりも少ない修飾ユニット数で細胞膜透過を実現しており、疎水性も遥かに低い。その優れた物性から、蛍光前駆体など他の修飾基との併用や、1000塩基を超える長いmRNAの導入への適用など高い汎用性が期待される。また、本手法はエンドサイトーシス等を介さず直接的に細胞質へと導入できる。この技術を用いて、蛍光mRNAの導入から翻訳に至る過程を経時的に観察することを目指す。
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