研究課題/領域番号 |
20K22706
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
荻原 孝史 京都大学, 薬学研究科, 特定助教 (00883612)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | オキサリプラチン / 末梢神経障害 / 末梢血流障害 / 疼痛モデル / 末梢温調節機構 / 感覚異常 / 血管拡張薬 |
研究開始時の研究の概要 |
白金系抗がん剤であるオキサリプラチン(L-OHP)は副作用として高頻度に末梢神経障害(chemotherapy induced peripheral neuropathy : CIPN)を発現する。このCIPNは有効性の高い予防/治療法がなくアンメットニーズは高い。これまで、末梢の血流障害が末梢神経障害の進行に寄与し、血管拡張作用持つホスホジエステラーゼ(PDE)阻害薬が予防/治療候補薬となることを見出してきた。本研究では、L-OHPによる末梢血流障害の発生機序や、末梢神経と末梢血管との相互機能連関を明らかにするとともに、得られた結果を臨床に還元するトランスレーショナルリサーチを目指す。
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研究成果の概要 |
白金系抗がん剤であるオキサリプラチン(L-OHP)は副作用として高頻度に末梢神経障害を発現する。これまでL-OHPによる末梢血流障害が、末梢神経障害の進展に関与することを明らかにしてきた。本研究では、感覚神経と血管との機能連関に着目した検討を行い、L-OHPにより感覚神経性の血管応答に異常が生じることを明らかにした。これら一連の結果は、L-OHPが末梢神経を直接障害するだけでなく、感覚神経による血管応答性にも異常をもたらし、そのことが末梢血流低下、さらに末梢神経障害の増悪につながると考えられ、末梢感覚神経-血管連関の異常が末梢神経障害に関与していることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん化学療法で用いられる抗がん剤は、様々な副作用が出現するが、なかでも末梢神経障害は、比較的多くの患者が経験するにもかかわらず、対応が遅れている副作用の1つである。末梢神経障害は、しびれ、感覚障害、痛みなどの感覚異常が生じ、患者の日常生活動作や生活の質を低下させる。さらには、重症化すれば、抗がん剤の減量や休薬を余儀なくさせ、がん治療成績に影響を与えることもあるが、その詳細な機序は不明な点が多い。今回得られた研究成果は末梢神経障害の発症機序の一部を解明したものであり、新たな予防/治療法の開発へとつながるものである。
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