研究課題/領域番号 |
20K22715
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
青木 啓将 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 助教 (70881845)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 腫瘍免疫 / 光線力学療法 / 腫瘍随伴マクロファージ / 腫瘍内微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
腫瘍内微小環境に存在するM2型腫瘍随伴マクロファージ (M2-TAMs) はがん細胞の増殖を促進するとともに、抗腫瘍免疫を抑制することで、がんの進展に大きく関与している。 本研究では、光に応答してがん細胞およびM2-TAMsを傷害するM-chlorin e6を用いた光線力学療法 (PDT) 処置後の腫瘍組織構成細胞の割合や性質を詳細に解析し、M2-TAMsの傷害による抗腫瘍免疫システムの変化の全容を明らかにすることで、M2-TAMsががん創薬のターゲットとなり得るかを追究する。
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研究成果の概要 |
予備検討によりin vivoマウスモデルの腫瘍を縮小する事が明らかとなっていたM-chlorin e6 を用いた光線力学療法 (PDT) に対してさらなる検討を行ったところ、腫瘍組織内のがん促進的なM2-TAMの割合を減少させ、腫瘍抑制的なM1-TAMの割合を増加させることを見出した。また、M-chlorin e6 PDTによりがん細胞表面へのCRTの表出が促進され、マクロファージによる貪食の増加が確認された。以上より、M-chlorin e6 PDTはM2-TAMの減少を含む複数の経路による腫瘍免疫賦活化能を有する事が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PDTは局所療法で侵襲性が低いため、次世代のがん治療法として注目されている。M2-TAMが発現するマンノースレセプターを標的とするように設計されたM-chlorin e6 PDTが直接的な抗腫瘍効果に加え、M2-TAMの減少を含む複数の経路によって腫瘍環境を抗腫瘍的に改変する能力を有する事が明らかとなった。本研究によりM-chlorin e6 PDTの有用性やPDTの腫瘍免疫賦活化剤としての新たな可能性を示すことが出来たと考える。
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