研究課題/領域番号 |
20K22719
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
|
研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
中村 吉伸 高崎健康福祉大学, 薬学部, 助教 (60880317)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | SLCO2A1 / プロスタグランジン / N型糖鎖修飾 / 細胞内局在 / 肥厚性皮膚骨膜症 / 非特異性多発性小腸潰瘍症 |
研究開始時の研究の概要 |
炎症性の難病である肥厚性皮膚骨膜症および非特異性多発性小腸潰瘍症の原因遺伝子とされるSLCO2A1は、プロスタグランジン(PG)E2の細胞内外濃度を調節する膜輸送体である。SLCO2A1は細胞内の発現局在の違いによって、PGE2の作用を増強と減弱の相反する方向に調節するが、本輸送体の細胞内局在制御機構は不明である。そこで本研究では、SLCO2A1の細胞内局在制御因子の同定とそれらによるPGE2作用調節機構を明らかにし、2つの難病の発症および進展に関わるSLCO2A1の役割解明を目指す。
|
研究成果の概要 |
プロスタグランジン(PG)膜輸送体SLCO2A1はPG作用調節に重要な役割を果たし、その機能喪失は肥厚性皮膚骨膜症(PDP)と非特異性多発性小腸潰瘍(CEAS)の2つ難病の原因となる。我々は、SLCO2A1が細胞種によって細胞膜と細胞内小胞の異なる局在を示し、その局在の違いによりPG作用を「減弱」と「増強」の相反する方向に調節することを発見したが、その局在制御機構は不明であった。本研究では、翻訳後修飾であるN型糖鎖修飾がSLCO2A1の細胞膜発現量を調節する局在制御因子の一つであることを見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PDPとCEASはいずれも有効な治療法がない指定難病である。どちらもSLCO2A1が原因遺伝子として同定されているが、SLCO2A1の機能喪失によって病態が形成される仕組みは十分に解明されていない。本研究成果であるN型糖鎖がSLCO2A1の細胞内局在を調節するという発見は、種々の細胞に幅広く発現するSLCO2A1の生理的役割を理解する上で重要な知見であり、将来的にPDPとCEASの病態解明に繋がる可能性がある。
|