研究課題/領域番号 |
20K22728
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
篠田 知恵 (坪井知恵) 愛知学院大学, 薬学部, 助教 (70736355)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脂質代謝 / アルツハイマー / ミクログリア / 核内受容体 / 炎症 / 脂肪酸 / 脂質代謝の変調 / アルツハイマー病 / プレクリニカル |
研究開始時の研究の概要 |
脂質代謝異常はアルツハイマー症(AD)発症の危険因子であり、中枢ミクログリア(MG)の活性化による炎症反応がADを誘発すると考えられるようになってきたことから、「脂質代謝の変調」による「MGの活性化」がAD発症に先駆するのではないかと考えた。そこで本研究では、<1>MGの脂質代謝変調モデルの作製、<2>MG活性化の機序の解明、<3>その改善作用をもつ天然由来核内受容体(NR)アゴニストの探索、を行いプレクリニカル期のAD予防法の解明に挑む。本研究の成果により、脂質代謝からのAD予防に対する新しいアプローチ法と副作用のない新しいNRアゴニスト治療薬の発見に繋がることが期待される。
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研究成果の概要 |
脂質異常症はアルツハイマー症(AD)発症の危険因子である。中枢のミクログリアの活性化による炎症反応がAD発症を誘発すると考えられるようになってきたことから、「脂質代謝の変調」による「ミクログリアの活性化」がAD発症に先駆するのではないかと考えた。 脂質代謝の変調として用いたパルミチン酸(PA)が炎症マーカーやアポトーシス誘導因子のmRNA発現を上昇させ、それをレチノイドX受容体(RXR)アゴニストであるベキサロテン(BEX)が抑制することが示唆された。この結果より、PAによるミクログリアの活性化はRXRを介して抑制されると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今までミクログリアの活性化を脂質代謝の変調の観点から調べるアプローチ法はなかった。ADプレクリニカル期における「脂質代謝の変調」という新しいパラメーターを明らかにすることで、ミクログリアの活性化の理解が大きく進むことが期待される。また、NRによる遺伝子転写調節はアゴニストの微妙な構造の違いで異なる。AD治療薬としての既存のアゴニストは重篤な副作用を示すものが多い。今後、異なる遺伝子発現誘導をするであろう、構造の多様性に富む天然由来NRアゴニストの探索を行い、AD治療に対し病態生理機能の調節に有用である新しいアプローチ法と治療薬の発見に繋がることが期待される。
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