研究課題/領域番号 |
20K22730
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0802:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
柏木 彩花 北海道大学, 医学研究院, 特任助教 (60880002)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | シグナル伝達 / Ras-PI3K複合体 / Na,K-ATPase / エンドサイトーシス / 時空間的制御 / 蛍光バイオイメージング / Ras-PI3Kシグナル伝達 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、Na,K-ATPaseは形質膜におけるNa,Kポンプとしての役割だけではなく、細胞内シグナル伝達や細胞接着への関与が注目を集めている。例えば、ポンプ阻害薬は細胞質のイオン濃度に影響を与えない低濃度において複数種のウイルスの取り込みを抑制する。しかし、その詳細なメカニズムは未知であった。本研究では生化学的手法や蛍光バイオイメージングを用い、Na,K-ATPaseのサブユニットによるRas-phosphoinositide 3-kinase (PI3K)シグナル伝達の時空間的制御という観点から、Na,K-ATPaseによるエンドサイトーシス制御メカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
すべての臓器に普遍的に発現するNa,K-ATPaseは細胞外物質の取り込み(エンドサイトーシス)を制御することが知られているが、その詳細なメカニズムは明らかでない。本研究はRas-phosphoinositide 3-kinase (PI3K)シグナル伝達が「いつ・どこで」起こるのかという時空間的制御の観点から、蛍光バイオイメージングの手法を用い、Na,K-ATPaseによるエンドサイトーシス制御メカニズムを解析した。その結果、エンドソーム上のNa,K-ATPaseがポンプ機能を介してRas-PI3K複合体のエンドソーム局在を抑制し、エンドサイトーシスを制御することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シグナル伝達においては、分子が細胞内の「いつ・どこで」活性化するかが遺伝子の発現制御や細胞の形態変化などの応答を決定する上で重要である。本研究ではシグナル伝達分子の活性や局在を生細胞で経時的に解析できる蛍光バイオイメージングの手法を活用し、Na,K-ATPaseによるエンドサイトーシス制御機構を、シグナル伝達の時空間的制御という側面から検証した。本研究で得られた知見は、エンドサイトーシスを介して細胞に侵入するウイルスに対し、侵入過程を標的とした新規治療法の開発への発展が期待される。
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