研究課題/領域番号 |
20K22741
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0802:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
福村 圭介 広島大学, 統合生命科学研究科(総), 助教 (10880049)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肥満 / 脂肪蓄積 / 内分泌 / 視床下部 / インスリン抵抗性 / 高血糖 / 摂食行動 / 神経ペプチド / 脂質代謝 / 嗜好性 |
研究開始時の研究の概要 |
栄養分選好性行動は、体内の栄養状態に応じて適切な栄養分を摂食する本能的行動である。研究代表者はこれまでに、末梢からの分泌性因子が脂質成分に対する選好性行動を調節することを明らかにした。本研究では、末梢からのシグナルに応答し、脂質選好性を調節する視床下部因子を明らかにすることを目的とする。また、栄養状態に応答した視床下部因子が、体内の脂肪組織に与える影響を解析することで、体内のエネルギーホメオスタシスを担う分子メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、新規脳因子であるNeurosecretory protein GL (NPGL)に着目し、主にマウスを用いて、その機能と体内の栄養状態との関連を解析した。令和2年度および3年度を通して、NPGLは、高脂肪食の給餌下では、顕著な脂肪蓄積を誘導しないことがわかった。一方で、NPGLは、高脂肪食給餌により誘導されるインスリン抵抗性や高血糖を緩和する機能を持つことを明らかにした。すなわち、研究代表者は、当初の目的の1つである脂質特異的な摂食行動を調節する視床下部因子を見出すことはできなかったものの、栄養過多により誘導される代謝異常を抑制するというNPGLの新たな機能を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界の肥満人口は20億人にも登り、毎年400万人が肥満関連の疾病で命を落としていると言われている。本研究で研究代表者は、新規脳因子であるNeurosecretory protein GL (NPGL)が、高脂肪食給餌下において、インスリン抵抗性や高血糖を緩和する機能をという新たな機能を示した。すなわち、高脂肪食が溢れる現代では、本申請研究により得られた知見は、基礎的な内分泌学だけでなく、医療分野や世界経済への波及効果も期待できるものである。
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