研究課題/領域番号 |
20K22744
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0802:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
山口 隼司 順天堂大学, 大学院医学研究科, 助教 (30875282)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | カテプシンD / オートファジー / 神経性セロイドリポフスチン症 / p62 / NBR1 / リソソーム / Atg7 / 電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
神経性セロイドリポフスチン症(NCL)の神経細胞内にはリポフスチン顆粒を有する異常リソソームが蓄積するが、それらは選択的オートファジーにより処理されている可能性が示唆される。本研究課題では、NCLにおけるオートファジーの役割を明らかにすることを目的に、NCL病態モデルマウスであるカテプシンD(CTSD)欠損マウスとオートファジー機能不全マウスの中枢神経系特異的ダブルノックアウトマウス(CTSD/Atg7 Nestin Cre)を作成して、オートファジー機能不全条件下でのNCL病態変化についての解析を進める。
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研究成果の概要 |
本研究課題では神経性セロイドリポフスチン症(NCL)のモデルマウスであるカテプシンD(CTSD)欠損マウスの脳内で蓄積する異常リソソームとオートファジーとの関連について解析を進めた。CTSD欠損条件下でも、p62やNBR1はオートファジー/リソソーム経路を介して正常に分解されるが、CTSD欠損神経細胞内ではユビキチン、p62、NBR1が異常リソソームの膜表面近傍に集積する現象について明らかにした。さらに、CTSD/Atg7 Nestin Creマウスの解析から、NCLで蓄積する異常リソソームはオートファゴソームによって処理されている可能性が示唆された。現在これらの結果について論文作成している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NCLは神経細胞内に異常なリソソームを蓄積する神経変性疾患の一種であり、その機序については未だ不明な点も多い。近年、NCLとオートファジーの関係についていくつかの報告があるが、その多くはオートファジー機能不全やリソソーム内での分解障害を示唆する内容である。本研究では、NCLで誘導されるオートファジーが不良リソソームの品質管理に働いている可能性を示した。細胞内不良オルガネラを標的にした選択的オートファジーは過去に多く報告されているが、その中で生体内での現象について示した例は未だ多くない。本研究はNCLの病態だけでなく、生体内での選択的オートファジーを理解する上で重要な意味を持つ。
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