研究課題/領域番号 |
20K22748
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0802:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
横西 哲広 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40881008)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 精子形成 / 妊孕性 / 精原細胞 / 異種移植 / 男性不妊症 / セルトリ細胞 / 精細管内移植 / 精子幹細胞 / 妊孕性温存 / 小児がん |
研究開始時の研究の概要 |
精子凍結保存が出来ない小児がん患者の妊孕性の温存法の確立が求められている。過去に、マウス精細管内にヒト精原細胞の移植が試みられたが、ヒト精子形成は進まなかった。精巣には、精原細胞の増殖と精子形成を制御する微小環境(ニッチ)がある。研究代表者は、マウス精原細胞ニッチはヒトの精子形成を支持できないと考えた。そこで、精原細胞ニッチを構成する代表的な細胞であるセルトリ細胞を特異的に除去する薬剤を発見し、本薬剤処理後に精細管内移植をすることで、精原細胞ニッチをドナー由来の細胞に置換できた。本研究では、この新規精細管内移植法の改良と安全性を実証し、ブタ精巣細胞を用いたマウス精巣内異種精子形成に挑戦する。
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研究成果の概要 |
本研究は、男性がん患者の妊孕性の温存方法の確立のため、マウス精巣内での異種精巣の再構築を目標としている。ブスルファンによって精原細胞を除去後に、ベンザルコニウム塩化物を精細管内投与することでセルトリ細胞を除去した宿主マウスにCAG-EGFPマウスの精巣細胞を移植したところ、ドナーの精原細胞、セルトリ細胞、ライディッヒ細胞や筋様細胞の定着率を改善することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小児がんに対する放射線や抗がん剤治療の晩期合併症に不妊症がある。精子凍結保存ができない性未成熟な男性がん患児の妊孕性の温存法は確立されていない。がん治療前に精巣組織を凍結保存し、必要時に解凍して自身に移植する方法が考えられるが、混入したがんの再発の危険がある。そこで、凍結した精巣細胞または組織をマウスに移植して、精子が得られれば安全である。しかし、ヒト精巣組織や精子のもとである精原細胞をマウスに移植しても精子形成は進行しない。そこで、本研究では、マウスの精細管を空にした精巣内にヒト精巣細胞を移植することで、マウス精巣の一部をヒト精巣細胞に置換し、ヒト精巣を再構築させ、ヒト精子形成を実現させる。
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