研究課題/領域番号 |
20K22754
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0802:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 (2021) 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 (2020) |
研究代表者 |
粟生 智香 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任研究員(常勤) (90880865)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 好中球由来小胞 / 生体イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
細胞が分泌する小胞が、細胞間のメディエーターとして機能することが報告されている。近年好中球などの免疫細胞も小胞を分泌し、凝固作用や免疫制御機能があることが明らかになってきた。しかし生体内 において小胞がどこで分泌され、どの細胞に作用しどのような機能を持つのか、そして小胞の分泌がどのように制御されているのかは明らかにされていない。本研究では、生体イメージングの系を活用して、血管内で分泌される好中球由来小胞の性質を調べ、小胞を受容する細胞を同定し、その機能を検討し、その生理的意義を統合的に明らかにする。
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研究成果の概要 |
生体イメージングにより炎症部位の血管壁に浸潤する好中球から小胞が分泌されることを明らかにした。また、セルソーターを用いて末梢血中から好中球由来小胞を回収する技術を確立した。さらにフローサイトメトリーの技術を用いて細菌性肺炎モデルマウスにおける末梢血中の好中球由来小胞の数をモニターし、末梢血中の好中球由来小胞が炎症の進行に伴い増加することを示した。その機能についての検討も行い、脳の特定領域に投与すると、肺炎モデルマウスの臓器障害が抑制された。またその動態についての検討を行い、好中球由来小胞を血管内投与すると網内系や脳の一部に蓄積されることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺炎などの重症感染症の患者の血液から好中球由来小胞が検出されること、またin vitroにおいて免疫制御機能を持つことが明らかになっていたが、その動態や生命維持に関わる機能は明らかにされていなかった。今回の研究により、血液を循環する好中球由来小胞が生体内で分泌される様子を観察することに成功した。また、その一部が脳の特定領域に集積し、肺炎における臓器障害を抑制するはたらきを持つことが示唆された。
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