研究課題/領域番号 |
20K22758
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡邊 菜月 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任研究員 (00883323)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | PI4K / TTC7 / phosphatidylinositol / phagocytosis / 貪食 / 赤痢アメーバ / Phosphatidylinositol / PI4P |
研究開始時の研究の概要 |
腸管寄生性原虫である赤痢アメーバでは、運動・接着・貪食など病原性に関わる細胞機能においてPhosphatidylinositol phosphates (PIPs)が重要である。中でもPI4Pは、細胞膜でエンドサイトーシス・貪食を制御するため、赤痢アメーバの病原機構に不可欠である。ヒトでPI4Pを産生するPI4KIIIαは、TTC7、Efr3、FAM126により制御されている。本研究では、赤痢アメーバPI4KIIIα複合体のユニークな役割と調節機構の解明を目的とする。同時にPI4KIIIα阻害化合物を獲得し、PIPs代謝に対する新規薬剤標的の提示を研究のゴールとする。
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研究成果の概要 |
Phosphatidyl inositol 4-kinase (PI4K) の補助因子の機能解析のために、補助因子であることが予想された結合分子である赤痢アメーバ(Eh)TTC7とEHI_151680について、これら遺伝子の発現抑制株を作成した。これらの株について、貪食効率が低下しており、PI4Kやその補助因子が貪食に関与していることが明らかとなった。また、HAタグ融合タンパク質発現赤痢アメーバ株を樹立し、局在解析を行った。発現量は少なかったが、細胞質局在が確認された。これはGFP融合タンパク質と同じ局在であり、これら補助因子が細胞質に局在することをサポートする結果となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PI4P/PI4KIIIα は、C型肝炎ウィルス (HCV) や、ポリオウィルスの細胞内での複製時に、重要な役割を担っていることが示されている。さらに、PI4KIIIβ は抗マラリア薬の標的としても注目され、特異的阻害剤が薬剤として開発されている。本研究により、赤痢アメーバにおいてPI4Kが貪食という重要な病原機構に関与することが明らかとなった。これは、貪食機構の解明や薬剤開発のために重要な進展となった。また、多種生物において報告がなかった、PI4Kが貪食に関与するという事実が明らかとなった。これは多種生物におけるPI4K機能解析の際にも、重要な事実となる。
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