研究課題/領域番号 |
20K22764
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
常世田 好司 鳥取大学, 医学部, 教授 (20362402)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ヘルパーT細胞 / 免疫記憶 / 長寿命 / 骨髄 |
研究開始時の研究の概要 |
一部の免疫細胞は抗原の刺激を受けた後、記憶細胞として長寿命を獲得し維持される。しかし、どのように免疫細胞が長寿命を獲得し維持されるのか、細胞内外の分子メカニズムは不明な点が多い。応募者は今まで、記憶ヘルパーT細胞の形成において、過剰な細胞分裂を経て形成されることやサイトカインIL-2が必要であることを示してきた。また新たに記憶ヘルパーT細胞の維持においては、解糖系に依存することや接着分子からのシグナルが必要なことを見出している。本研究では、長寿命の獲得や維持に必須な候補分子のin vivoでの機能を解明し、記憶ヘルパーT細胞の長寿命の獲得や維持に関与する分子メカニズムの全体像を明らかにする。
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研究成果の概要 |
CD4陽性T細胞は抗原の刺激を受けた後、一部は記憶細胞として長寿命を獲得し維持される。しかし、どのように長寿命を獲得し維持されるのか、細胞内外の分子メカニズムは不明であった。本研究では、レトロウイルス導入によるshRNAや阻害抗体投与、遺伝子欠損マウスを用いて解析を行った。その結果、細胞分裂やIL-2Rβが重要であること、記憶で発現が高いCXCR6は獲得に関わっていないが維持に関わっている可能性が高くなった。予想外ではあったが、現在更なる研究を進めている。また長寿命維持に関しては、解糖系やインテグリン分子下流シグナルが長寿命の維持に重要であることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
免疫記憶、特にその中枢で働く記憶ヘルパーT細胞の形成や維持の分子メカニズムを知ることは、どのように我々が感染した病原体を記憶しているのかという学術的疑問を解決することにつながる。さらにどのように記憶が形成され維持されているかがわかれば、ワクチンの最大の目的である免疫記憶は、どのように誘導すれば最も効率が良いのかという新しい指標になる。さらにアレルギーや自己免疫疾患の慢性化の原因も免疫記憶であるため、いかに病原性の記憶細胞を除去するのか、その標的分子を明らかにすることにも貢献する。
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