研究課題/領域番号 |
20K22769
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
嘉手川 豪心 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (10444910)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | エラスチン / 腹圧性尿失禁 / ラット / LOXL1遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
先行研究において尿道閉鎖圧の維持に必要な弾性線維(エラスチン)の重合に関連するLOXL1遺伝子を欠損させたラットを作製し、同線維の尿道における形成不全を確認した。本研究ではこのエラスチン形成不全モデルを使用し、下部尿路の病理組織学的、生理学的、薬理学的評価を行うとともに複数の治療薬の有効性を検討する。
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研究成果の概要 |
骨盤底の脆弱化に伴う腹圧性尿失禁は女性において最も頻度が高い排尿障害で、その早期発見と介入は未だ困難である。疾患の克服に向けて詳細な病態解明が必須であり、適切な動物モデルの確立が望まれている。エラスチンの重合に関連するLysyl oxidase like 1(LOXL1)遺伝子を欠損させたラットを作製した。その結果、尿道のみならず、膀胱、子宮、腟、直腸、肛門などの骨盤内臓器においてエラスチンの形成不全が確認された。 また、野生型ラットに比べてLOXL1遺伝子欠損ラットで腹圧上昇時の尿漏出時膀胱内圧は低下していた。また、膀胱内圧測定から、尿道のみならず膀胱機能も低下していることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全身性にエラスチン形成不全をきたすLOXL1遺伝子欠損ラットを使用した下部尿路の検討から、尿道でのエラスチン形成不全と腹圧上昇時の尿漏出時膀胱内圧が低下しており、エラスチンが尿禁制機構で重要な役割を担っていることが確認できた。また、LOXL1遺伝子欠損ラットを自然発症腹圧性尿失禁モデルとして研究を進めていくことで、腹圧性尿失禁の病態解明につながる。最終的に腹圧性尿失禁の内因性因子を含めた病態が解明できれば、早期の疾患診断と予防および治療介入につなげて行けることが期待される。
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