研究課題/領域番号 |
20K22770
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 (2021) 和歌山県立医科大学 (2020) |
研究代表者 |
山形 優太朗 長崎大学, 熱帯医学研究所, 特任研究員 (70879410)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ウイルス学 / ハザラウイルス / ミニゲノム / 転写 / 複製 / 膜蛋白質 / 転写・複製 / ゲノムパッケージング / ミニゲノムアッセイ / リバースジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
クリミアコンゴ出血熱ウイルス(CCHFV)は重篤な出血熱症状を引き起こし高い致死率を有する病原性ウイルスであり、有効な治療手段の確立のための研究が求められている。CCHFVに極めて近縁かつヒトに病原性を示さないハザラウイルス(HAZV)は、CCHFVのモデルウイルスとして研究に用いられている。近年の研究により、HAZVの3本の分節ゲノムが転写・複製されウイルスが効率よく増殖されるために必要な配列が、各分節の翻訳領域内に存在する可能性が示唆された。本研究では、近年確立されたHAZVのミニゲノム系およびリバースジェネティクス系を応用して、HAZVの効率的な増殖に必要な各分節の特定の配列を同定する。
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研究成果の概要 |
ハザラウイルスの分節ゲノムの転写複製やウイルス粒子への取込に必要な配列をミニゲノム系を用いて探索した結果、M分節5’側非翻訳領域の末端から81~162塩基の配列に転写複製に重要な部位が含まれる可能性が示唆された。翻訳領域も探索したが、ミニゲノム活性が上昇する配列は見つからなかった。使用する実験系の設計や再現性の一部に問題があることが判明したため、条件検討による実験系の改良やVLP・リバースジェネティクス系の構築を進めた。また、ハザラウイルスのG蛋白質の恒常発現細胞の樹立や、切断部位候補の変異解析を行い、最も多いG蛋白質切断体の切断部位の位置をRRTN部位の近傍まで絞り込んだ。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
クリミアコンゴ出血熱ウイルス(CCHFV)は重篤な出血熱症状を引き起こし高い致死率を有する病原性ウイルスであり、有効な治療手段の確立が求められている。ハザラウイルス(HAZV)は、CCHFVに遺伝学的に近縁だがヒトに病原性を示さないため、CCHFVのモデルウイルスとして研究に用いられる。本研究の成果はHAZVの増殖に重要な要因の探索の途中段階にとどまり、HAZVの具体的な増殖機構の解明にまで踏み込む成果は得られなかったが、さらに研究を進めHAZVの増殖機構を解明することで、近縁種であるCCHFVの詳細な増殖機構を解明し、CCHFの有効な治療手段を確立する手掛かりを得られることが期待される。
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