研究課題/領域番号 |
20K22774
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
野木森 拓人 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 免疫老化プロジェクト, プロジェクト研究員 (20870653)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | インフルエンザ / ワクチン / 記憶B細胞 / アジュバント / 老化 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトの生体内では、加齢に伴って免疫システムの個体レベルでの変化が生じる。例えば現行の季節性インフルエンザワクチンの効果が高齢者で減弱することが知られている。そのため、超高齢社会が到来している我が国においては、高齢者においても有効性が十分に示される、新しいワクチンの開発が重要な課題となっている。そこで本研究では、ヒトB細胞株および血液検体を用いて、B細胞を特異的に活性化させる化合物の同定を行う。B細胞活性化化合物を新規アジュバント候補として、インフルエンザHAスプリットワクチンと共に非ヒト霊長類モデルであるカニクイザルに投与し、免疫応答を詳細に解析する。
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研究成果の概要 |
本研究では、現行インフルエンザワクチンに併用可能で、インフルエンザ抗原特異的記憶B細胞を標的とする新規アジュバントの開発を目指し、将来的には高齢者においても有効となる新しいインフルエンザワクチンの開発を目標とした。まずは10000化合物からなる低分子化合物ライブラリーから、33化合物を選択し、B細胞株を活性化させるものを17種同定した。さらにヒト末梢血単核細胞を用いて2次スクリーニングを行った結果、3種類の化合物がB細胞を特異的に活性化させることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの予防ワクチン開発の主たる目的としては、初期免疫を誘導して、さらには記憶免疫を形成させることである。しかし、インフルエンザに関しては、毎年の定期ワクチン接種や感染歴等で、小児期以降は記憶免疫が誘導されているのが実際である。本研究はこの点に着目し、記憶免疫反応の活性化による高齢者用インフルエンザワクチンの開発に挑戦するものである。今回同定したB細胞を活性化させる化合物をアジュバントとしてインフルエンザワクチンと併用することで、高齢者にも有効なインフルエンザワクチンの開発に繋がることが期待される。
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