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もやもや病の病因探索;iPS細胞由来の血管内皮細胞と血管平滑筋細胞の共培養モデル

研究課題

研究課題/領域番号 20K22775
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
研究機関北海道大学

研究代表者

東海林 菊太郎  北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (70883164)

研究期間 (年度) 2023-02-26 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードもやもや病 / iPS細胞 / 内皮細胞 / 平滑筋細胞 / 血管平滑筋細胞 / 血管内皮細胞 / 分化誘導
研究開始時の研究の概要

もやもや病は脳動脈の進行性狭窄を主病変とし、代償性に異常な側副血行路の発達が認められる原因不明の疾患である。
組織学的には血管内皮細胞と血管平滑筋細胞が最終的に機能異常をきたしていると推測され、先行研究ではもやもや病患者由来iPS細胞を用いて血管内皮細胞を分化誘導し、遺伝子発現や細胞機能に健常との差異があることを突き止めたが、血管平滑筋細胞については不明点が多い。
本研究では、もやもや病患者由来iPS細胞から血管平滑筋細胞を分化誘導し、その特徴を解析するとともに、先行研究で確立した血管内皮細胞も用いて、もやもや病の病態において血管内皮細胞と血管平滑筋細胞が果たす役割および相互作用について解明する。

研究実績の概要

最新のiPS細胞関連の論文の渉猟を行ったり、もやもや病などの脳血管疾患に関連する学会に参加し、本研究に関連する研究の情報収集や、最新の研究手法などの調査を行い、本研究を予算費用内で遂行するにあたっての具体的方法の立案、仮説の想定およびそれらに要する試薬・機器の見積もり(予算内にふくめるために複数社の比較)を行った。例えば、iPS細胞を血管内皮細胞および血管平滑筋細胞に誘導するプロトコールとして時間的にも費用的にもパフォーマンスの良いプロトコールの発案に至った。具体的には、血管内皮細胞の分化誘導として、iPS細胞をmTeSRとFGF2で培養を行ったのちにSTEM-APELにCHIR99021を添加した培養液で培養し、その後STEM-APELにBMP4/VEGF/FGF2を添加したもので培養を行い、Endothelial cell growth medium-MV2にVEGFを添加したものでの培養を経ることで、cell sortingといった煩雑かつ追加の試薬を要するような行程を省略することが可能となった。また、血管平滑筋細胞への分化誘導として、mTeSRで維持培養していたiPSCを、CDM-PVAを基質とした培養液に変更し、SB431542/FGF2を添加したもので培養することで神経外胚葉系に促し、さらにPDGF-BB/TGF-βを添加した培養液に処することで神経外胚葉由来の血管平滑筋細胞を高効率に誘導可能であると特定した。さらに、分化誘導により得られた血管内皮細胞と血管平滑筋細胞を共培養するにあたって、定量的にかつ時間軸をもって培養状況をモニタリングする方法として、それぞれの細胞を脂質系の色素にて別々の吸光度の蛍光色素で標識し、Keyence顕微鏡のタイムラプス撮影を行うことで実現可能であるとの結論に至った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

保有するiPS細胞のロットの確認や継代数のチェックを行い、また研究室内の共有の試薬や機器の在庫状況と本研究への使用の可否などを調べている。「やや遅れている」とした理由は、当初の計画では現段階でiPS細胞の培養や分化誘導などを開始している予定であったが、上述のように限られた予算費用内で本研究を遂行するにあたっての具体的方法の立案、仮説の想定およびそれらに要する試薬・機器の見積もり(予算内にふくめるために複数社の比較)に想定以上の時間を費やしたこと、他研究機関の研究内容と重複しないよう本研究に関する領域の学会での情報収集に時間を要したこと、などにより、iPS細胞の培養や分化誘導などの開始時期が遅れたためである。

今後の研究の推進方策

まずは必要な試薬・機器を購入し、iPS細胞を起眠させ、維持培養および増殖、継代を行う。その後に血管内皮細胞と血管平滑筋細胞にそれぞれ分化誘導する。それらを何パターンかの混合比率で共培養し、最適な混合比率を見いだすとともに、至適な培養液を数種類試し、安定した共培養の樹立を確率する。また、データ取得のために最適な培養時間を検討する。
最終的には、蛍光色素にてラベリングを行い(血管内皮細胞と血管平滑筋細胞、それぞれ別々の色素)、蛍光でのタイムラプス撮影が可能な顕微鏡で培養を行い、管腔形成能を評価し、もやもや病に特徴的な所見がないかを探索する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2020-09-29   更新日: 2024-12-25  

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