研究課題/領域番号 |
20K22782
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 酪農学園大学 (2023) 長崎大学 (2020) |
研究代表者 |
石崎 隆弘 酪農学園大学, 獣医学群, 講師 (40880810)
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研究期間 (年度) |
2023-02-26 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ネズミマラリア原虫 / 赤血球侵入 / 脂質シグナリング / 遺伝子編集 |
研究開始時の研究の概要 |
マラリア原虫は年間2億人を越える罹患者と40万人を越える死者を出す赤血球寄生原虫である。マラリア原虫が赤血球に侵入する際にはリン酸化を介したシグナル伝達が重要な役割を担うことが知られており、ネズミマラリア原虫にてジアシルグリセロールをホスファチジン酸へと変換させるリン酸化酵素ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)の一つDGK1欠損原虫では、赤血球侵入関連分子の原虫内局在が変化し、原虫のマウスへの感染率と病原性が著しく低下することを見出した。本研究では、DGKの欠損から赤血球侵入能力の低下という表現型に至るまでの機序を分子レベルで明らかにし、新たな創薬標的を見出すことを目的とする。
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研究成果の概要 |
マラリア原虫が保有するジアシルグリセロール(DAG)をホスファチジン酸(PA)へと転換させるジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)の機能解析を実施した。DGK誘導型欠損原虫は赤血球侵入関連分子の細胞内局在の変化、分子分泌の低下、その結果に伴う原虫寄生率とマウスへの病原性の低下という表現型を示した。 またDGK1の代謝産物であるPAと結合するAPHタンパク質の機能解析を実施した。APH誘導型欠損原虫はDGK1欠損原虫同様に赤血球侵入関連分子の分泌阻害が観察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題を通してマラリア原虫が保有するDGKとPA結合タンパク質APHが原虫の赤血球侵入時に担う役割を分子レベルで解明することに成功した。また本研究で作製したDGK1欠損原虫は感染宿主内で自然治癒されるため、今後宿主応答の分子機序を精査することで新たな原虫制御法の確立に繋がる知見が得られることが期待できる。
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