研究課題/領域番号 |
20K22784
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
許 駿 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40881735)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 紅麹菌 / コレラ菌 / 細菌運動性 / 代謝産物 / 感染抑制 / 予防対策 / 健康食品 / コレラ菌毒素 |
研究開始時の研究の概要 |
致死的な下痢を起こすコレラは、グラム陰性桿菌Vibrio choleraeのうち菌体抗原O1またはO139を有し、コレラ毒素(CTx)を産生してヒトの小腸上皮細胞に付着する株(コレラ菌)が原因となる。経口的にヒトに感染したコレラ菌は、活発な運動能で小腸上部に達しそこで付着・増殖しCTxを分泌する。一方、糸状菌である紅麹菌(Monascus)は、東アジア、東南アジアおよび沖縄県において発酵食品や天然着色料として活用されている。本研究では、コレラ菌主要病原因子であるCTx分泌、運動性および細胞付着能に対する紅麹菌代謝産物の抑制効果を検討し、その機序を生物学・生物物理学的手法で解明することを試みる。
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研究成果の概要 |
紅麹菌属糸状菌は発酵食品、天然着色料および食品防腐剤などに使用されている。沖縄県の伝統食品である豆腐ようも、紅麹によって発酵・熟成させた発酵食品である。紅麹菌の特定の代謝物はコレステロールを下げ、人間に健康促進効果をもたらす。本研究では、コレラの病原細菌である毒素産生コレラ菌のATP合成と運動性を阻害した。コレラ菌を初め、腸炎ビブリオ、緑膿菌、サルモネラ、レプトスピラなどの病原菌の運動性を著しく阻害した。紅麹菌発酵抽出物が、予防薬として複数の病原菌によって引き起こされる感染を潜在的に防止し、それらの進行を遅らせ、死亡率および罹患率を低下させる可能性があることを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細菌の活動に関するエネルギー源を標的としたコレラ菌感染の新規な予防および治療戦略の開発につながる先進的な研究に発展する可能性がある。紅麹菌発酵抽出物が、予防薬として複数の病原菌によって引き起こされる感染を潜在的に防止し、それらの進行を遅らせ、死亡率および罹患率を低下させる可能性があることを示している。紅麹菌発酵抽出物および関連食品をコレラ流行地域に普及させることによって、低コストでコレラの蔓延阻止と予防対策にも役に立つ。
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