研究課題/領域番号 |
20K22792
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 岐阜医療科学大学 |
研究代表者 |
所 俊志 岐阜医療科学大学, 薬学部, 講師 (10551088)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 腸内細菌叢 / 腸管出血性大腸菌 / 腸内感染制御 / 生物多様性 / 定着抵抗性 / 腸管内感染制御 / 多様性 / IgA抗体 / 菌叢組成 / 頑健性 / 腸管出血性大腸菌O157:H7 / 腸管感染 / 感染制御 / 腸管出血性大腸菌感染症 / 粘膜免疫 / 分泌型IgA抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
腸管出血性大腸菌(Enterohemorrhagic Escherichia coli, EHEC)感染症は重症化すると死に至ることもある一方で、どのような感染制御により軽症や無症状で感染が終息するのか不明である。申請者は、EHECの腸管内感染及び腸管内からの排除について、EHEC感染マウスを用いて, 抗菌剤投与による改変及び便移植により再構築した腸内細菌叢の組成・多様性解析、自然IgA抗体量及びEHEC特異IgA抗体価、EHEC結合IgA抗体の割合のそれぞれを関連づけた比較解析を行う。そして腸内細菌叢及び粘膜免疫の協調的な感染制御機構を明らかにし、それらに基づく予防・治療戦略の根拠を示す。
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研究成果の概要 |
同様の微生物環境において、隔離された集団およびその中の個体は、構成する菌種の数および均等性、並びに系統差(近縁・遠縁)にもとづく、特異な多様性をもった腸内細菌叢を保持する。 正常細菌叢が存在するマウスの腸管内に、腸管出血性大腸菌(Enterohemorrhagic Escherichia coli, EHEC)O157:H7は、一時的に滞留するが、速やかに排出される。EHECの腸内への侵入は、腸内細菌叢の多様性を変動させる。多様性が急激に変動するような頑健性の低い菌叢、および特定の菌群の存在は、EHECの腸管内感染性を高める可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、腸内細菌叢の多様性と病原菌の感染性の関係を明らかにし、健康維持および疾病予防における重要な知見を提供する。特に、低い多様性や特定の菌群の存在が腸管出血性大腸菌O157:H7の感染リスクを高めることを示唆しており、腸内細菌叢の頑健性(構成菌種の数および均等性、並びに系統差が一定の範囲で維持され、変動しても元の状態に戻る性質)が感染症予防に寄与する可能性を示している。これにより、プロバイオティクス、プレバイオティクス、およびシンバオイティクスの利用や食生活の改善を通じた腸内環境の管理が、実践的な感染症対策として期待される。
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