研究課題/領域番号 |
20K22797
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 良太 東京大学, 保健・健康推進本部, 助教 (80647660)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 膵臓癌 / TGFβ / 神経 / 交感神経 / 腫瘍微小環境 / 副交感神経 / TGFb |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では腫瘍内神経を介した膵臓癌の進展機序および神経を標的とした治療方法の開発のため、特にTGFbシグナルの果たす役割を解明することを目的とする。TGFbシグナルに関連した遺伝子改変マウスを用いた膵臓癌マウスモデルを使用することで、生体内でのTGFbシグナルによる腫瘍内神経への影響を解析するとともに、同モデルにおける腫瘍内神経を標的とした治療介入の効果について検討する。
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研究成果の概要 |
我々は膵特異的に変異型Krasを発現しTGFβ受容体をノックアウトした膵臓癌マウスモデル(PKFマウス)を用いて腫瘍内神経に対するTGFβシグナルの影響について解析した。PKFマウスの膵腫瘍では交感神経の増加が見られたが、癌細胞における神経栄養因子の発現はp53変異型の膵癌細胞とは異なっておりTGFβシグナル経路による影響と考えられた。一方PKFマウスにアドレナリンβ2受容体阻害薬を投与したところ明らかな治療効果は認められなかったことから、PKFマウスの膵臓癌はp53変異型膵臓癌と比較してアドレナリンβ2シグナル阻害に対する耐性が高いと考えられたが、その機序は今後の検討課題であると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵臓癌における腫瘍内神経を介した腫瘍促進機序は膵臓癌の治療標的となる可能性があるとされる一方、実際の膵臓癌で高頻度に認められるTGFβシグナルの異常と腫瘍内神経との関連はこれまで明らかになっていない。本研究によってその一端が明らかになり、癌細胞の持つ遺伝子変異により腫瘍内神経の性質や神経シグナル阻害治療への感受性が影響を受けている可能性が示唆された。一方その詳細な機序や、神経シグナルへの介入が有効な腫瘍が持つ特徴を明らかにすることなどは今後の検討課題と考えられた。
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