研究課題/領域番号 |
20K22803
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
鈴木 隆介 金沢大学, がん進展制御研究所, 博士研究員 (70882215)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 染色体異数性 / 染色体安定性 / 細胞分裂 |
研究開始時の研究の概要 |
多くのがん細胞では、染色体数が正常細胞とは異なる異数性を示すことが知られている。染色体異数性は、遺伝子のコピー数の増減を引き起こし、細胞のがん化やがんの悪性化を促進すると考えられているが、その詳細については不明な点が多い。本研究では、ヒト正常二倍体細胞株においてモーターアダプターJLPの発現亢進が染色体異数性を誘導するという世界で初めての発見をもとに、染色体安定性の制御機構をモーターアダプターという全く新しい視点から解析する。
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研究成果の概要 |
これまで染色体異数性を誘導するメカニズムやそれを防ぐ染色体安定性の制御機構について数多くの研究がなされてきたが、その詳細については未だ不明な点が多い。本研究では、モーターアダプターJLPの発現亢進が、染色体異数性を誘導することを世界で初めて見出した。また、JLP発現亢進細胞において、紡錘体形成チェックポイント構成因子MAD2の細胞分裂前中期における動原体での局在量の減少が観察された。 これらの結果から、JLPは、分裂期におけるタンパク質の局在制御を通じて、染色体安定性の維持に寄与している可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
染色体安定性の制御にかかわる多くのタンパク質は、細胞分裂期の適切な時期に適当な場所で機能することが知られている。本研究成果により示唆された分裂期におけるモーターアダプターによるタンパク質の局在制御機構は、未解明な部分の多い染色体安定性制御タンパク質の時空間的制御の解明に貢献すると考えられる。また、多くのがん細胞で認められる染色体異数性の誘導メカニズムの一端が明らかにされたことから、がんに対する有効な予防・治療法の発見につながると考えられる。
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