研究課題/領域番号 |
20K22804
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
梶 喜一郎 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (70886407)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 遺伝子改変T細胞 / hTERT / 免疫療法 / T細胞レセプター / がん免疫療法 / T細胞受容体 / 腫瘍関連抗原 / TCR-T |
研究開始時の研究の概要 |
本邦における悪性腫瘍による死亡のうち肝がんは部位別で5位を占めている。肝がんに対する治療の進歩は目覚ましいものの、進行した肝がんに対する治療法は、肝予備能の低下とも相まってその選択肢が限られる場合も多く、新しい機序の治療法確立が急務である。本研究では、肝細胞癌に発現するヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)を標的としたT細胞受容体(TCR)の機能評価を行い、治療を目的としたTCR遺伝子改変T細胞(TCR-T)作成に最も適したTCRを選択することを目的とする。
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研究成果の概要 |
現在でも本邦における悪性腫瘍による死亡のうち5位に位置する肝臓がんの治療において,重要な問題である高い異所性再発率に対する有望な選択肢としてがん免疫療法が挙げられ,我々は遺伝子改変T細胞治療の可能性に着目した.本研究では腫瘍関連抗原の一つであるヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)由来の細胞傷害性T細胞エピトープを認識するT細胞レセプター(TCR)遺伝子を用いてTCR遺伝子改変T細胞(TCR-T)を作成した.作成したTCR-Tについて,培養細胞株,およびhTERTを発現したヒト肝癌由来細胞株を標的とした細胞傷害活性を検証し,そのhTERT特異的な細胞傷害活性を確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗原特異的なTCR-Tの細胞傷害活性を示した本結果は,今後のTCR-T療法の基礎となる結果である.我々はすでに複数種類のhTERT特異的TCR遺伝子を同定し取得しており,今回の手法によって,より高い細胞傷害活性を示すTCR(Elite TCR)の選定を行うことができ,より効果的なTCR-T療法を目指すことが可能である.さらに今後,実際にヒトを対象とした臨床試験への応用を視野に免疫不全マウスへ肝癌細胞株を生着させた肝細胞癌治療動物モデルによるTCR-T療法の安全性と抗腫瘍効果を評価していく.そしてこの結果をもとにヒト臨床試験の施行を目指している.
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