研究課題/領域番号 |
20K22808
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大谷 仁志 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (10627087)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 転移因子 / がん治療 / CRISPR activation / 内在性レトロウイルス / 転写調節領域 / 自然免疫系 / DNAメチル化 / エピゲノム編集技術 |
研究開始時の研究の概要 |
DNAメチル化阻害剤である5-アザシチジンは、血液腫瘍治療の第一選択薬として用いられているが、その作用機序は完全には解明されていない。近年の研究から、5-アザシチジン投与により生じた転移因子のRNAが重要な役割を担うと推察されている。しかし、5-アザシチジン投与ではゲノム全体の低メチル化を引き起こすため、どの配列の低メチル化が重要なのかは不明である。そこで本研究課題では、サイト特異的エピゲノム編集技術により特定の転移因子の発現を誘導し、がん細胞表現型の変化を調査する。これらを統括し、がん治療戦略に対し新しい視点からの知見を加えることを目指すとともに、転移因子の機能の新たな側面を明らかにする。
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研究成果の概要 |
DNA脱メチル化剤である5-アザシチジンは、血液腫瘍治療択薬であるが、その作用機序は完全には解明されていない。近年の研究から、内在性レトロウイルスを含む転移因子の関与が示唆されている。本研究では、サイト特異的にDNA脱メチル化を促すエピゲノム編集技術を用いてLTR12Cの機能解明に挑んだ。抗がん作用を調査したところ、有意な差は検出されなかった。今後、その他の転移因子の機能を調査する必要がある。また、LTR12Cは機能未知であるため、その解明に挑んだ。LTR12Cによる宿主ヒト遺伝子の発現制御は、LTR12C配列だけでなく、その周辺領域によっても調節されていることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DNA脱メチル化剤である5-アザシチジンは、血液腫瘍治療の第一選択薬であるが、その作用機序は完全には解明されていない。近年の研究から内在性レトロウイルスを含む転移因子の関与が示唆されていた。本研究では、CRISPR activationを用いて内在性レトロウイルスLTR12Cの機能解明に挑んだ。LTR12Cは宿主であるヒトの遺伝子を直接的に制御する機能を持つことが明らかとなった。今後、その他の転移因子の機能も調査する予定である。これらの研究は、5-アザシチジンの抗がんとして作用機序を解明し、より効果的ながん治療法の開発へと繋げるものである。
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