研究課題/領域番号 |
20K22809
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
越智 陽太郎 京都大学, 医学研究科, 助教 (40883707)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 白血病 / コヒーシン / 遺伝子変異 / エピゲノム / 急性骨髄性白血病 / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
急性骨髄性白血病(AML)は予後不良の造血器腫瘍で、侵襲の強い化学療法や造血幹細胞移植以外に根治治療がなく、有効かつ安全な新規治療の開発が望まれている。AMLのうち10-15%がコヒーシン遺伝子群に変異を有するが、我々は白血病コヒーシン変異が染色体三次元構造の破綻による転写異常をきたす事を最近報告した。そこで本研究では、AMLのコヒーシン変異腫瘍細胞に特異的に作用する新規治療開発を目指し、特にエピゲノム・転写装置を標的とする新規薬剤の有効性を検討するほか、CRISPRライブラリスクリーニングによるコヒーシン変異白血病の脆弱性を網羅的に探索する。
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研究成果の概要 |
骨髄系腫瘍の約10-20%がコヒーシンの遺伝子変異を有するが、コヒーシン変異が白血病を引き起こす分子機序は十分に明らかになっていない。本研究では、コヒーシン変異による分子異常を詳細に解明するとともに、変異特異的な新規治療法の開発を目指す。 ゲノム編集を応用し、コヒーシン欠失白血病細胞株を複数樹立した。エピゲノムを標的とする抗癌剤の一部がコヒーシン欠失株に特異的な増殖抑制効果を示した。この効果は免疫不全マウスへの移植モデルでも同様に観察された。また、新たにコヒーシン変異と他のドライバー遺伝子変異の複数変異マウスモデルを作成し、両遺伝子の協調的な効果を表現型および分子レベルで示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、白血病の約10-20%と高頻度に認められるコヒーシン遺伝子変異の意義を詳細に解析した。ゲノム編集技術によって、白血病のコヒーシン遺伝子変異を細胞株やマウスモデルで再現することで、分子病態の解明や新規治療開発などの実験を可能にした。これらの新規に作成した遺伝子変異モデルを活用することで、コヒーシン変異が白血病を引き起こす機序を明らかにするとともに、コヒーシン遺伝子変異を特異的に標的とする新規の抗癌剤候補を同定することができた。
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