研究課題/領域番号 |
20K22814
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
久禮 美穂 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 非常勤研究員 (30884647)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 腫瘍融解アデノウイルス / 抗PD-1抗体 / 骨肉腫 / 骨軟部腫瘍 / ウイルス療法 / 免疫療法 / 骨軟部肉腫 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 複合がん免疫療法 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は腫瘍内特異的に活性の高いヒトテロメラーゼ逆転写酵素のプロモーターにより増殖が制御される腫瘍選択的融解アデノウイルス製剤(OBP-301)およびがん抑制遺伝子p53を導入したOBP-702を開発し様々な骨軟部肉腫に対する治療効果を研究してきた。また近年、免疫原性細胞死の誘導により局所療法とされてきたウイルス療法が遠隔転移に対しても有効である可能性が示されている。 マウスの骨軟部肉腫細胞株を用いてOBP-702と抗PD-1抗体併用療法による抗腫瘍効果、そのメカニズムについて検討する。
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研究成果の概要 |
骨軟部肉腫において化学療法抵抗例や遠隔転移例は予後不良であり、新規の治療法として免疫療法が注目されている。しかし、骨肉腫は免疫療法に反応が乏しく、いかに免疫応答効果を増強するかが検討されている。我々が開発した腫瘍融解アデノウイルスOBP-702を用い、OBP-702と抗PD-1抗体との併用療法の治療効果を検討した。まずは骨肉腫細胞株にOBP-702を感染させるとPD-L1, PD-L2の発現が増加し、免疫療法に有利な環境を形成していた。続いて、高肺転移株を作成し、サイトカインを調べた結果、OBP-702により転移が抑制される可能性を認めた。今後、マウスによる治療実験を行う予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は骨軟部腫瘍に関し、OBP-702の免疫原性細胞死誘導による免疫チェックポイント阻害剤の有効性増幅効果について検討するものであり、遠隔転移難治例に対する有効な治療法としての発展が期待される。本研究は、骨軟部肉腫において免疫療法の効果が乏しい現状を打破できる可能性のあるものであり、その他の免疫治療との併用への発展性をも秘めている。OBP-702は我々が開発したものであり、本研究開発は我々にしか行えず、臨床的に有意義な研究である。
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