研究課題/領域番号 |
20K22818
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
武居 晋 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (30883425)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 膵癌 / CAF / 膵癌自然発癌モデル / scRNA-seq / 免疫微小環境 / 単一細胞解析 / 免疫逃避機構 / 腫瘍微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
KPCマウス由来膵癌細胞をC57BL/6マウスに同所移植することで腫瘍免疫を含めた膵癌周囲微小環境を再現する。これにより、腫瘍免疫の観点から、移植早期における癌細胞を排除する段階である「排除相」から、癌細胞が抗原性の高い自己抗原やMHC分子を消失する等により免疫逃避機構を構成し始める「平衡相」、さらには腫瘍免疫抑制細胞を導入し免疫逃避機構を確立する「逃避相」に移行するまで、段階的に再現可能となる。各段階における細胞集団の変化をシングルセル発現解析を行い可視化する。その結果より、腫瘍免疫逃避機構のhubとなる新たな細胞集団を同定し、それらの制御法を確立、膵癌における新規免疫治療薬開発につなげる。
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研究成果の概要 |
膵癌自然発癌モデル由来の膵癌細胞を用いてC56BL/6マウスに同所移植を行い、膵癌微小環境再現モデルを作成した。プロリンイソメラーゼであるPin1分子に着目し、Pin1が膵癌細胞と癌関連線維芽細胞で過剰発現しており、Pin1に対する標的治療によって免疫抑制性微小環境をリモデリングできることを膵癌微小環境再現モデルで示した。消化器癌であるヒト胃癌で免疫抑制性微小環境をscRNA-seqで評価したところ、骨髄系細胞の免疫抑制関連遺伝子の発現が他の免疫抑制細胞よりも高値であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Pin1分子は膵癌に対して有望な新規治療薬であり、難治性膵癌の治療に活路を見出す可能性が示唆された。また、Pin1は癌関連線維芽細胞にも過剰発現しており、スキルス胃癌などの豊富な間質成分を有する他の癌腫でも有望な標的分子であると考えられた。
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