研究課題/領域番号 |
20K22830
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
房 知輝 山形大学, 医学部, 助教 (90878141)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | がん / 放射線 / 中性アミノ酸代謝 / LAT1 / 中性アミノ酸 / 分岐鎖アミノ酸 / エネルギー代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
放射線は生存したがん細胞の代謝を亢進させることから、代謝過程の選択的抑制により放射線療法の治療効率の改善が期待される。また、がん細胞では糖代謝に加えてアミノ酸代謝にもリプログラミングが生じており、特定のアミノ酸に依存するがん細胞種も複数報告されている。本研究は、中性アミノ酸の取込みに働くLAT1を標的とした放射線増感が可能ではないか、との仮説を立て、これを立証する。LAT1を介して取込まれる中性アミノ酸のがん細胞における役割をエネルギー代謝の面から検討し、また、LAT1の放射線応答についても調べることで、LAT1を標的とした新たながん放射線療法の開発につながる基礎的研究を行う。
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研究成果の概要 |
申請者は放射線が生存したがん細胞のエネルギー代謝を亢進することに加え、中性アミノ酸量を増加させることを明らかにしていたことから、中性アミノ酸代謝を標的としたがん放射線療法の可能ではないかと推測した。そこで、本研究では中性アミノ酸の細胞内への取込みに働くL-type amino acid transporter 1 (LAT1)の特異的阻害剤JPH203が放射線増感効果を引き起こせるかどうか検討した。その結果、JPH203が複数のがん細胞株で放射線感受性を増強した。また、その増感メカニズムにはmTORシグナル減弱を介した細胞老化の誘導が寄与すること明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はLAT1を介して取込まれる中性アミノ酸が放射線照射を受けたがん細胞の生存に重要であることを明らかにしたことから、放射線生物学の知見を一層深化させた。 また、本研究はLAT1を標的としたがん治療薬JPH203が放射線増感を引き起こすことを明らかにした初の研究報告である。JPH203が放射線療法との併用されることで今後臨床応用される可能性を提示し、社会的意義も高い研究内容である。
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