研究課題/領域番号 |
20K22831
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
中澤 信博 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (60881290)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 胃癌 / コネキシン26(Cx26) / 腸型胃癌 / β-catenin / コネキシン26 / Wnt/βcatenin経路 / EMT / コネキシン26(Cx26) / Wnt/βcatenin / 核内移行 / 上皮間葉転換(EMT) / 腸型・混合型胃癌 / びまん型胃癌 |
研究開始時の研究の概要 |
胃癌切除検体においてコネキシン26(Cx26)の免疫染色を施行し予後の検討を行ったところ、腸型胃癌においてはCx26高発現群で有意に予後が良好であった。また本来細胞膜に位置するCx26が細胞質に局在変化を起こしていた。細胞実験ではCx26を抑制するとβcateninの核内発現が増加し、細胞質Cx26がβcateninの核内移行を抑制している可能性が示唆された。そこで本研究では、胃癌の発現型に応じてのCx26 の機能的意義を解明し、Cx26 とβ-cateninの相互作用の詳細と、関与するシグナル伝達経路を明らかにし、生体内でCx26は治療標的となりうるか検討を行う。
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研究成果の概要 |
細胞質にCx26を高発現する腸型/混合型胃癌症例は有意に予後良好であり、また再発症例も有意に少なかった。Cx26強制発現細胞株(MKN7,45)では有意な増殖能の低下を認め、Western blottingでは核内β-catenin発現が低下していた。また近接ライゲーションアッセイでは、細胞質Cx26とβ-カテニンの結合を認め、共免疫沈降でも同様の事象を認めた。細胞質へのCx26局在変化は、細胞質β-cateninと結合することで、β-catenin核内移行を抑制すると考えられた。MKN74を使用したCage解析においてもWnt/β-catenin経路と関連することを証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乳癌、大腸癌、肺癌、膵癌や、われわれが以前に報告した食道扁平上皮癌において、細胞質でのCx26発現が予後や遠隔転移に関与しているなどの報告がある。胃癌においては癌化に伴うCx26の細胞膜から細胞質内への局在変化や、細胞質におけるCx26の機能的意義についてはほとんど明らかにされていなかった。今回Intestinal and mix typeの胃癌において、本来細胞膜に位置するCx26が癌化の過程で細胞質に局在変化を起こし、β-cateninの核内移行を抑制することを証明し、治療予後との相関も示した。今後胃癌においてCxをターゲットとした全く新たな治療戦略の開発を目指せる可能性が考えられた。
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