研究課題/領域番号 |
20K22836
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
黒田 梨絵 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (90881045)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | MIBG / アブスコパル効果 / 神経芽腫 / 高リスク群神経芽腫 / MIBG内照射 |
研究開始時の研究の概要 |
高リスク群神経芽腫は標準治療を用いても非常に予後不良であり新規治療法開発が求められる。研究者の所属する施設は神経芽腫に対する大量131I標識3-ヨードベンジルグアニジン内照射(MIBG内照射)を日本で唯一行っており、標準治療への追加により有意な生存率の向上を報告してきた。残存病変が多いにも関わらずMIBG内照射後の長期生存例を複数経験し、MIBG内照射による直接的効果だけではなく間接的効果、いわゆるアブスコパル効果(抗腫瘍免疫反応増強効果)の存在に着目した。本研究ではMIBG内照射前後の神経芽腫患者における免疫動態を経時的、網羅的に解析し、MIBG内照射のアブスコパル効果の有無を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
本研究の目的は、小児がんの中でも予後不良疾患である高リスク群神経芽腫の予後改善に向けて、MIBG内照射を行うことでアブスコパル効果(抗腫瘍免疫反応増 強効果)を認めるかどうかを明らかにするものである。新規にMIBG治療を行った12症例においてMIBG内照射前後での免疫学的解析を行った。フローサイトメトリーを用いた末梢血白血球亜群の活性化プロファイル、血清を用いたサイトカインアッセイでは、MIBG内照射により現象として免疫学的賦活化が起こっていることが示唆された。少数例での検討であり今後症例数を重ねるとともに、詳細な機序に関しては神経芽腫マウスモデルを用いて検討予定である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究においてMIBG内照射により現象として免疫学的賦活化および腫瘍による免疫応答が起こっている可能性が示唆された。今後、神経芽腫マウスモデルを用いて詳細な機序検討を行い、アブスコパル効果をさらに増強するにはどうしたらよいか、腫瘍による免疫回避機序により腫瘍再発が起こるのかどうか、MIBG治療と免疫チェックポイント阻害剤をうまく併用することで腫瘍による免疫回避を抑制できるかどうか等を検討することにより、高リスク群神経芽腫症例の予後改善につながるMIBG治療を用いた新規治療法の確立を目指す。
|