研究課題/領域番号 |
20K22846
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
杉本 智樹 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (20882244)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 食道癌 / EMT / 上皮間葉転換 / Notchシグナル |
研究開始時の研究の概要 |
食道癌は予後不良な癌種の一つで、転移はその一つの要因となる。癌細胞にとって上皮間葉転換(Epithelial Mesenchymal Transition:EMT)は転移に重要だが、近年これまでの概念とは異なる新たなメカニズムが報告された。そのメカニズムを利用し転移の阻害、予後改善ができないかを検討する。当講座の先行研究では、Notchシグナルとそのメカニズムとの関連が示唆される知見を得たため、今回の研究では、転移にNotchシグナルが関与しているのではないかという仮説を証明し、Notchシグナルの制御により転移能を抑制できないか、治療応用できないかを検討する。
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研究成果の概要 |
食道癌の治療で必ず使用する5-FUを食道癌細胞株に投与した際、細胞にはEMT(Epithelial Mesenchymal Transition:上皮間葉転換)が誘導され、細胞形態が間葉系細胞の特徴である紡錘形へと変化し、間葉系マーカーのVimentinが経時的に変化することを突き止めた。そしてこの時、Notch3がVimentinと逆相関することも確認することができた。加えて動物実験において、皮下腫瘍を移植したマウスに5-FUを投与し癌細胞を耐性化し、その皮下腫瘍はVimentinの増加とKRT14の減少が起こっており、EMTの遷移のメカニズムの一端を発見することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在日本の最新の切除可能な食道癌の治療、切除不能進行食道癌の治療、いずれにおいても抗癌剤を用いることがガイドラインで定められており、特に5-FUは必ず用いることとなる。抗癌剤による効果は十分見込めるが、治療を続けている中で問題になるのが、癌細胞の獲得する抗癌剤耐性であり、今回の研究ではこの抗癌剤耐性のメカニズムのひとつであるEMTに着目した。今回の研究でEMTのメカニズムの一端を解明することができたことに加え、EMTは癌の転移を誘導することが知られており、今回見つけたメカニズムは癌細胞の転移とも関連づけられるかもしれない。
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