研究課題
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不死化したiPS細胞由来ミエロイドライン(iPS-ML)に遺伝子改変を加えることで様々な免疫調整機能を持たせた治療細胞を作成することができる。我々はこのiPS-MLに免疫チェックポイントのアクセル分子であるOX40Lを導入することで、マウスメラノーマに対する治療効果が増強されることをすでに確認している。臨床応用に向けたさらなる効果増強を目指し免疫チェックポイント阻害薬との併用について検討し、そのメカニズム解析を行う。
不死化したiPS細胞由来の骨髄前駆細胞(iPS-ML)にOX40Lを導入することでマウスメラノーマに対する治療効果が増強されることを確認できた。一方で、安全面からはiPS-MLの腫瘍化リスクが課題として挙がったため治療マウスとMHCclassIIの一部のみが異なるマウス由来の細胞を用いて同様の治療を行った結果、効果の差がないことが確認できた。つまりMHCclassIが一致していればiPS-MLの治療効果は阻害されないということであり、長期的にはいずれ免疫学的に排除されるため腫瘍化の側面からはより安全であると思われた。今後は免疫チェックポイント阻害薬との併用による上乗せ効果を確認する予定である。
抗PD-1抗体を始めとした免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の有効性が明らかになったが、日本人に多いとされる末端黒子型のメラノーマではその効果は限定的であるため本邦での進行期メラノーマ診療はいまだに難渋しているのが現状である。併用が期待される従来の細胞移入療法はその培養の困難さやコストの観点から一般病院での普及は非現実的である。iPS細胞をソースとした細胞移入療法がICIの効果を増幅できれば、将来的にはバンク等から事前に各種HLAのiPS-MLを大量に作成しておくことで速やかにクオリティーの保証された細胞を供給することができるため、より広く普及しやすい細胞移入療法になることが期待できる。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
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