研究課題
研究活動スタート支援
本研究では高悪性度B細胞リンパ腫(B cell lymphoma: BCL)の病態形成過程の一部を担うことが既知である遺伝子、MYC誘導性のBCL発症マウスモデルを活用した網羅的ゲノム編集生体内ノックアウトスクリーニングを行い、MYC過剰発現との協調作用により、その欠失が超高リスクBCLを形成する新規がん抑制遺伝子の同定を目指す。また、患者由来BCL細胞の解析から、その臨床的意義についても明らかにする。この基礎・臨床両面からのアプローチで、現時点で治癒困難な難治BCLの克服を可能にする治療戦略を開発することが本研究の目的である。
本研究では高悪性度B細胞リンパ腫(B cell lymphoma: BCL)の病態形成過程の一部を担うことが既知である遺伝子、MYC誘導性のBCL発症マウスモデルを活用した網羅的ゲノム編集生体内ノックアウトスクリーニングを行い、MYC過剰発現との協調作用により、その欠失が超高リスクBCLを形成する新規がん抑制遺伝子の同定を目指すこととした。検討の結果、新規がん抑制遺伝子として同一のパスウェイ上に存在2つの遺伝子を同定し(研究遂行上の秘密保持の観点から遺伝子X, Yとする)、生体内検証実験で確認できた。臨床検体においてもその予後に与える影響を確認することができた。
悪性リンパ腫は造血器腫瘍において最も高頻度な疾患群であり、高齢化社会において増加の一途にある。なかでもBCLはその大部分を占めるが、近年の免疫化学療法の発展により、BCLの長期治療成績は著明に改善した。しかしながら、超高リスク病態の形成を機能的観点において司る真の責任分子異常は未だに不明である。本研究で同定した新規がん抑制遺伝子は、高度難治BCL治療における新たな標的分子候補となり、新規治療戦略の開発への発展が期待できる。また、臨床プロファイルとの相関を検討することにより、診断と治療における新たなバイオマーカー確立への応用も期待でき、高度難治BCL治療戦略の大きな発展につながる。
すべて 2022 2021 2020
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)
Annals of hematology
巻: - 号: 8 ページ: 2113-2115
10.1007/s00277-021-04425-y
Infection and drug resistance
巻: 13 ページ: 3225-3232
10.2147/idr.s273317