研究課題/領域番号 |
20K22855
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中小路 絢子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (30876321)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | HOXB9 / 乳癌 / ホメオボックス遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
HOXB9は乳癌細胞の上皮間葉転換(EMT)による悪性化と、微小環境における血管新生を誘導することで、乳癌の進展に寄与することが知られる。本研究の目的は、今回新たに発見し報告したHOXB9スプライスバリアントの乳癌における生物学的・臨床的病理学的意義を明らかにし、HOXB9の乳癌進展制御メカニズムを解明することである。分子生物学的な解析、およびHOX阻害薬の治療効果の検証を進めることで、乳癌進展メカニズムの解明と新たな治療アプローチを検証する。
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研究成果の概要 |
HOXB9は上皮間葉転換および血管新生誘導により乳癌進展に寄与することが知られる。新たに発見したHOXB9スプライスバリアントについて、乳癌細胞株および乳癌臨床検体に同バリアントが広く発現している一方、正常乳腺では発現が認められないことをこれまでに確認しており、今回、その乳癌における役割を解明することを目的とし研究を行った。結果、HOXB9スプライスバリアントは乳癌において、アポトーシスを抑制することにより細胞増殖に寄与し、なかでも外因性経路に関わっていると考えられた。また、HOX阻害薬の効果から、DNA結合部を欠く同バリアントにおいては補因子を含めた下流の反応も異なっていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HOX遺伝子群の他のHOX遺伝子では同様にホメオドメインを欠くスプライスバリアントが報告されており、なかでもHOXA9では、スプライスバリアントが白血病の発症に関わっており、治療ターゲットとして同定されている。一方、HOX遺伝子群のスプライスバリアントが固形癌の進展に関わることを示した研究は当研究以外なく、今回の結果の学術的な意義は非常に大きいと考えられる。今後は、当施設内の乳癌検体および正常乳腺検体のサンプル数をさらに増やし臨床的因子との比較や分子生物学的な解析を目指す。また、治療ターゲットとしての有用性についても検討していく。
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