研究課題/領域番号 |
20K22858
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
厚井 志郎 産業医科大学, 医学部, 助教 (70886712)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | microbiome / 膵癌 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔内や腸内の細菌叢 (microbiome) が、膵癌の進展や化学療法・免疫療法の感受性に関与していることが報告され、話題となっている。本研究の目的は、膵癌患者の消化管全域に渡る細菌叢・真菌叢の変化を網羅的に解析し、膵癌腫瘍部の細菌叢・真菌叢との相違を比較することを目的とする。本研究により、膵癌 (腫瘍部)と消化管における細菌叢・真菌叢の関連性を明らかにし、最終的には膵癌の新たな診断マーカーおよび治療(予防)戦略の確立を目指したい。
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研究成果の概要 |
腸内細菌叢が膵発癌や膵癌の進展に関連していることが報告されたが、腸内細菌叢が如何にして膵癌に関連するかについては不明である。本実験では、膵癌における消化管および膵臓細菌叢解析を行なった。膵癌患者の唾液・十二指腸液・膵臓検体、およびコントロール患者の唾液を採取し、細菌DNAを回収、16SrRNA遺伝子シーケンスを行なった。今後、さらに症例数を増やして確認する必要があるが、十二指腸細菌叢は膵癌患者でコントロールとは異なっており、歯周病関連細菌が多い傾向を認めた。また膵臓組織を用いた細菌叢解析では、癌部と正常部で細菌叢が異なる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌において歯周病関連の細菌が膵癌進展のリスクファクターであると報告され、注目を集めている。しかしながら、膵癌腫瘍部microbiomeと消化管microbiomeがどのような関連を持っているのかについては不明である。本研究で、歯周病関連の細菌が膵癌の十二指腸microbiomeで多い傾向を認め、口腔内の歯周病関連細菌が膵癌と関係している可能性を認めた。今後、口腔内microbiomeと消化管microbiome、膵臓microbiomeの関連性の検討を行っていくことで、プロバイオティクスや抗生剤投与、さらには口腔内ケアによる膵癌の予防という画期的な治療戦略が期待される。
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