研究課題/領域番号 |
20K22877
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
合谷 孟 九州大学, 大学病院, 特別教員・特任助教 (30884754)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 急性肝不全 / 肝細胞 / 低酸素 / 急性肝障害 / 肝疾患 / 肝不全 |
研究開始時の研究の概要 |
肝臓は再生能に富んだ臓器であるが急性/慢性肝疾患の終末像では有効な肝再生が起こらず肝機能は破綻し個体の死へと至る。このような肝不全状態では未だ根本的な治療法がなくその開発が急務であり、肝再生の正常化は新たな治療標的となりうる。肝再生の機序については、肝幹細胞/前駆細胞が増殖するという報告と成熟肝細胞が増殖するという報告とが混在し不明な点が多いが、近年は成熟肝細胞が脱分化して増殖することを示唆する報告がなされている。本研究では成熟肝細胞の脱分化に着目して実験を行い、肝再生時の肝細胞脱分化機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
肝臓は再生能に富んだ臓器で肝再生は肝疾患の病態形成に関与する。詳細については不明な点が多いが、成熟肝細胞が高い可塑性を有し障害時には成熟肝細胞の脱分化に引き続いて細胞増殖を行うことが示唆される。急性肝不全の発症機序には肝内低酸素が病態形成に関与していることが指摘されており、アセトアミノフェン肝障害モデル(APAPモデル)で組織低酸素を評価すると同様に組織低酸素の関与が示唆された。APAPモデルにおいても肝細胞の脱分化マーカーの発現上昇がみられ、類洞血流障害が関与する急性肝障害においても肝細胞の可塑性、多様性が関与することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
急性肝不全は肝移植以外に根本的治療の存在しない予後不良の疾患である。治療法開発には病態解明が必須であるが不明な点が多い。急性肝不全は種々の原因から発症する症候群であり、複数の病型、発症機序の存在が示唆されている。そのため、その病態解明にあたっては病型に応じたアプローチと解釈が必要である。我々の今回の検討から急性肝不全のうち組織低酸素が関与する急性肝障害モデルにおいても、肝細胞の脱分化マーカーの上昇が確認され、同病型にも肝細胞の可塑性、多様性が関与することが示唆された。今後更なる検討が必要であるが未だ治療法の確立されていない急性肝不全の新規治療開発のための有用な知見が得られたと考えている。
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