研究課題/領域番号 |
20K22879
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
野妻 智嗣 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (40884052)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | HTLV-1関連脊髄症 / 神経免疫性疾患 / 神経感染症 / T細胞受容体レパトア解析 / HTLV-1 / T細胞受容体レパトア / HAM / 神経免疫疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
HAMはHTLV-1ウイルスに感染したTリンパ球の増殖とそれに対する特異的な免疫反応が病態の中心である。近年TCRレパトア研究が癌、免疫、感染症領域で進められ、細胞性免疫の評価やウイルス抗原特異的T細胞の同定に利用されている。本研究では感染細胞を標的にHAMに特異的なTCRクローン型を同定することで、診断のバイオマーカーとなることが期待される。また個々の患者において疾患活動度と関連する特異的なTCRレパトアを決定することで病勢の予測や治療介入時の指標に利用でき、テーラーメード医療への応用が可能となると考える。
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研究成果の概要 |
HAM患者の末梢血HTLV-1感染細胞と髄液細胞を標的とし、分子バーコードを用いてTCRレパトア解析を行った。この解析によりHAMの感染細胞ではクローン増殖の程度が高く、ポリクローナルに増殖している感染細胞が多いことが判明した。また感染細胞のTCRレパトアは個々の患者に特有のもので、レパトアの特徴は長期に保持されていた。中枢神経系で増殖している感染細胞クローンは末梢血とは異なる分布を示し、炎症を来す病原性クローンと考えられた。 この結果からHAMの感染細胞で病原性のあるクローンを同定し経時的にかつ臓器横断的に追跡することで、診断および治療の指標となるバイオマーカーへの応用が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
分子バーコードを用いたバイアスのないTCRレパトア解析のパイプラインを確立した。TCRレパトア解析により、HAM患者で病原性のあるHTLV-1感染細胞クローンは個々の患者に特有のものであり、長期に保存されていること、また中枢神経系では末梢血と異なる分布を示すことが判明した。これらの病原性のあるHTLV-1感染細胞クローンの同定・追跡は、疾患活動性の指標や治療介入時のバイオマーカーとして利用できるなど、テーラーメード医療への応用が可能となると考える。
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