研究課題/領域番号 |
20K22888
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所 |
研究代表者 |
西川 将司 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 分子病態研究部, リサーチレジデント (00871758)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 神経発達 / 発達障害 / 細胞骨格 / シグナル伝達 / Gタンパク質 / 知的障害 / G蛋白質 / Rho / RhoGEF / 神経細胞発達 / マウス組織 / 発現解析 / 知的障害(ID) / 小頭症 |
研究開始時の研究の概要 |
知的障害(ID)を伴う小頭症の原因分子であるPLEKHG2は、脳構造形成・発達に必須の役割を果たすことが確実視される。しかしながら、PLEKHG2が中枢神経発達で果たす役割は全く不明であり、その遺伝子変異がID・小頭症を引き起こす分子病態機構も未解明である。そこで、PLEKHG2の生理機能、および、遺伝子変異を原因とする病態の分子基盤の解明を目指し、PLEKHG2が大脳皮質・海馬形成に果たす役割と病態形成機構を解析する。
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研究成果の概要 |
本研究では、PLEKHG2の変異(c.610C > T/p.Arg204Trp)が、小頭症を伴う知的障害を引き起こす病態機構を解析した。具体的には、生化学的分析により、当変異は機能喪失型であることを明らかにすると共に、マウス子宮内胎仔脳電気穿孔法により神経細胞内のPLEKHG2を発現抑制(病態を模倣)したことで、PLEKHG2→Rac/Cdc42→PAK1シグナルが神経細胞の軸索・樹状突起・スパイン形成過程に重要であり、変異によるシグナル不全が神経細胞の分化障害を引き起こすことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、PLEKHG2変異(c.610C > T/p.Arg204Trp)による小頭症・知的障害の病態メカニズムは、PLEKHG2のシグナル不全による神経細胞の分化障害に起因することが強く示唆された。さらに、PLEKHG2のエフェクター分子群(Rac, Cdc42, PAK1)に介入することによって、神経細胞の分化障害を改善することにも成功した。本結果は、PLEKHG2変異による小頭症・知的障害発症機構の解明と、それに対する治療法・薬開発戦略の重要な知見となる。
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