研究課題/領域番号 |
20K22890
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松田 盛 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (00884272)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 老化 / 加齢 / ミトコンドリア / エピゲノム / エピジェネティクス / ミトコンドリアDNA |
研究開始時の研究の概要 |
ミトコンドリアの独自のゲノムDNA(mtDNA)の変異はミトコンドリア機能を損ない、様々な疾患の発症につながる。特に老化においてはmtDNAの変異の蓄積が加齢に伴う個体の機能低下と強く関連しており、老化制御とmDNA変異の分子機構の関連は重要な課題である。 近年、エピジェネティクス修飾がmtDNAにも見いだされ、ミトコンドリアエピジェネティクス(ミトエピゲノム)の存在が推測されている。ミトエピゲノムの変容が遺伝子発現を調節し、代謝の低下などの老化現象に寄与する可能性は高い。本研究では、加齢とミトエピゲノムの変容との関連を明らかにし、個体老化におけるミトエピゲノムの的意義の解明を目的とする。
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研究成果の概要 |
ミトコンドリア独自のゲノムであるミトコンドリアDNA(mtDNA)は老化においては、その変異が加齢に伴う個体機能低下と強く相関しており、老化制御に向けてmtDNA変異の分子機構の解明が重要な課題である。超加齢マウス(~24ヶ月齢)のマウス臓器では、mtDNAの転写-複製に関連するタンパク質のうち、超加齢マウスでミトコンドリア転写伸長因子TEFMの増加が観察された。met-tRNAを始めとしたtRNAは肝臓・腎臓・心臓のどの臓器も有意に減少していた。加齢に伴うmtDNA転写翻訳機構の破綻が、十分な修飾tRNA供給を阻害し、加齢によるミトコンドリア機能低下の一因である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミトコンドリアは独自のゲノムであるミトコンドリアDNA (mtDNA)を有し、呼吸鎖複合体の構造遺伝子およびそれらの翻訳に必要なtRNA遺伝子やrRNA遺伝子をコードする。mtDNA異常は呼吸鎖複合体の遺伝子発現を障害し、様々な疾患の発症につながる。特に老化においては、mtDNAの変異が加齢に伴う個体機能低下と強く相関しており、老化制御に向けてmtDNA変異の分子機構の解明が重要である。本研究では超加齢マウスにおいてミトコンドリア伸長因子であるTEFMが増加し、ミトコンドリアtRNAが減少していることを明らかにし、加齢によるミトコンドリア機能低下の一因が転写翻訳機能低下である可能性を示した。
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