研究課題/領域番号 |
20K22891
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
田中 亮多 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (90649667)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | PD-1 / PD-L1 / PD-L2 / irAE / 免疫関連副作用 / IL-6 / CD8 / T細胞 / 乾癬 |
研究開始時の研究の概要 |
PD-1を標的とする免疫チェックポイント阻害薬は、特異な免疫関連副作用(irAE)を誘導し得る。そして、irAEの発現率や重症度を正確に予測すること、発症機序の解明と特異的対処法の開発は喫緊の課題である。申請者は、これまで、PD-1阻害誘導性乾癬様皮膚炎において、ヒトサンプル解析とマウスモデル実験から、CD8+T細胞上のPD-1シグナル阻害により乾癬様皮膚炎はIL-6産生増加を伴い増悪し、IL-6標的治療が奏功する可能性を見出した。 本研究では、複数の炎症性疾患マウスモデルを用い、PD-1シグナル阻害誘導irAEの免疫病態機構を解明し、更にはirAEに対するIL-6標的治療の有用性を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、抗PD-1抗体を投与された悪性黒色腫患者で乾癬様皮膚炎(ヒトサンプル)とToll様受容体7アゴニストであるイミキモド誘導乾癬様皮膚炎モデルマウスを用いて、病態を解析した。その結果、病態にはPD-1-PD-L1経路が支配的に関与することを明らかにした。また、PD-1-PD-L1シグナル阻害誘導乾癬様皮膚炎は、CD8 T細胞の活性化と表皮内浸潤によって悪化し、IL-6が病態を悪化させる要因であり、かつ治療標的となり得ることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
免疫チェックポイント阻害剤であるPD-1阻害薬により免疫は活性化し、がん免疫を増強する。一方で、特有の副作用(免疫関連副作用)も生じ得る。免疫関連副作用は、あらゆる臓器で発症し得るが、皮膚に生じる頻度が最も高い。重篤な皮膚障害は治療中止に至ることもあり、副作用への対策は喫緊の課題である。 PD-1シグナル阻害下誘導乾癬様皮膚炎の特徴、およびIL-6シグナルが治療標的となり得ることが明らかにした本研究成果は、特に重篤な副作用からの早期回復や重篤化する前の予防に関する治療開発に寄与する可能性がある。
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