研究課題/領域番号 |
20K22898
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
今井 則博 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (40877081)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 非アルコール性脂肪性肝疾患 / マイオカイン / ミトコンドリア代謝 / 肝細胞 / ミトコンドリア呼吸 / 肥満 |
研究開始時の研究の概要 |
骨格筋はマイオカインと総称されるペプチドの分泌を通じて、肝臓を含む全身の代謝臓器との臓器間コミュニケーションにおいて重要な役割を果たしている。近年、研究代表者はマウスモデルにおいて骨格筋における脂肪酸のβ酸化が臓器を超えて脂肪肝、インスリン抵抗性、肥満の発症に関与していること、また骨格筋が代謝状態に応じて複数のマイオカインを分泌し肝臓からの超低密度リポタンパク質(VLDL)分泌を調節していることを明らかにした。これらの知見は骨格筋の脂肪酸代謝が全身の糖代謝、脂質代謝において重要な役割を果たしていること、骨格筋がマイオカインを通じて過栄養時の脂肪肝、肥満の発症に寄与していることを示唆している。
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研究成果の概要 |
非アルコール性脂肪性肝疾患に対する有効な治療法の開発が急務である。本研究では新たにマイオカイン関連6因子(Angptl4, Bdnf, Cxcl1, Igf1, IL-6, Pgc1a)がマウスモデルにおける脂肪肝、インスリン抵抗性の増悪に関連していることを見出した。さらに培養細胞を用いた検討にてAngptl4、Cxcl1およびBdnfは肝細胞内のミトコンドリアの基礎呼吸酸素消費量および最大呼吸酸素消費量、ATP産生を調整していることを明らかとした。本研究結果により骨格筋より分泌されるマイオカインを主軸とした、脂肪肝、肥満に対する新たな治療ターゲットが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
サルコペニアは加齢や病気により骨格筋量が減少した状態であり、末期肝硬変患者の約60%に認められる予後不良因子である。また近年の研究により非アルコール性脂肪性肝疾患の悪化リスク因子でもあることが明らかとなっている。さらに骨格筋はマイオカインと総称されるペプチドの分泌を通じて、肝臓を含む全身の代謝臓器との臓器間コミュニケーションにおいて重要な役割を果たしている。本研究の目的は脂肪肝の発症過程において、その病態に関与するマイオカインの機能解明を通じて、脂肪肝、肥満に対する新たな治療ターゲットを探索することである。
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