研究課題/領域番号 |
20K22901
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
藤原 英晃 岡山大学, 大学病院, 助教 (90743683)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 移植片対宿主病 / 造血細胞移植 / 腸管上皮細胞 / ミトコンドリア / 酸素代謝 / 腸内細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
同種造血幹細胞移植は血液悪性疾患に対する根治療法だが、致死的な合併症である移植片対宿主病(以下GVHD)のため高齢患者への適応はごく一部に限定される。しかし、高齢化社会に伴い血液悪性疾患の患者は増加の一途であり、GVHDを軽減した安全な移植法の開発が喫緊の課題である。 近年、腸内細菌叢の乱れ(以下dysbiosis)とGVHDの関連性が報告されているが、その意義は不明である。本研究はこの関連性の発祥機序をを明らかにすることで、新たなGVHDのメカニズムを解明し腸管上皮細胞をターゲットとしたGVHDの新規予防・治療法を開発し、高齢化社会のニーズに答えることを目的とする。
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研究成果の概要 |
同種造血幹細胞移植(いわゆる骨髄移植)は、移植片対宿主病(GVHD)が主な合併症です。GVHD発症のメカニズムは免疫細胞を中心に研究されていますが、一旦発症すると治療抵抗性であることも多く、未だ不明な点が多いです。本研究において、GVHDの特徴である腸内細菌叢の乱れに注目し、これは、GVHD→腸上皮細胞ミトコンドリア呼吸障害→細胞内酸素濃度上昇→腸管内酸素濃度上昇→腸内細菌叢の乱れ→GVHDの増悪という経路を明らかにしました。この経路は新たな知見であり、GVHD予防・治療の標的として今後さらに詳細を明らかにし、免疫抑制剤に頼らないGVHD予防治療法を検討していきます。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は免疫細胞により攻撃される体組織(特に重症となる腸)に着目し、GVHDによって引き起こされる組織の変化を実験的に明らかにしています。GVHDによる腸内細菌叢の乱れが腸内環境の乱れであることに着目し、この原因が腸の細胞の呼吸・エネルギー産生器官であるミトコンドリア障害であることを明らかにしました。今後はミトコンドリアを標的とした治療法を確立し、体組織を丈夫にすることでGVHDを低減する安全な同種造血幹細胞移植法を確立することを目的としています。これによりこれまで同種造血細胞移植の適応とならなかった高齢者にも安全にかつ有効な治療を可能とすることを目指しています。
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